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「スメハラ」「エイハラ」「アルハラ」って知ってますか?増え続ける「職場のハラスメント」

2020年03月16日 公開
2023年02月21日 更新

布施直春(人事・労務コンサルタント)

「ステレオタイプの押しつけ」が許されない時代に

それにしても、なぜこれほどまでに「職場におけるハラスメント」が増えてきたのでしょうか。

その背景にはやはり、「自分らしい生き方」「多様な働き方」を望む人が増えてきたことがあると考えられます。自分の邪魔をされたくないし、他人の邪魔もしたくない。だからこそ、それを阻害する要因を「ハラスメント」と感じるのではないでしょうか。

価値観が多様になっている現在に比べ、高度成長時代はある意味、誰もが同じような価値観を持っていた時代でした。モノ不足により、とにかくモノを作って売れば売るほど儲かる。だからこそ長時間労働が推奨され、自分の意思よりも、会社や上司に言われたとおりに働く人が重宝されました。

また、女性は20代で結婚して寿退社して家庭に入り、子供を作って専業主婦になる。そして、男性は家庭を女性に任せて長時間労働をしてお金を稼ぐ。このステレオタイプこそが幸せだと信じて疑わない人が大多数だったのです。

今は違います。経済が右肩上がりではなくなった現代、長時間労働をしてひたすらモノを作ったところで、モノが余るだけ。結婚しない人も子供を作らない人も増えており、それぞれの価値観だとして認められています。

そうした意識の転換に、人も組織もついていけていないことが、ハラスメントの増加につながっていると言えるのかもしれません。

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