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社員全員が「インスタグラマー」に。製品の魅力を直接伝える新・マーケティング術



2020年07月13日 公開

岩崎裕美子(ランクアップ代表取締役)・小林みか(同社広報部)

マナラ化粧品ランクアップ社員のInstagramの例

企業がSNSで広報・宣伝活動を行なうことは一般的になった。担当者が公式アカウントを運営したり、インフルエンサーにPRを依頼したりする形が普通だが、「マナラ化粧品」の開発・販売を行なう〔株〕ランクアップの方法は、それらとはひと味違う。公式アカウントもあるが、54名の正社員全員がInstagramのアカウントを持ち、自社製品の魅力を発信しているのだ。

社員こそが自社製品の一番の愛用者

 ランクアップ社員のInstagramのアカウントには、プロフィール欄に同社社員であることが明記されている。投稿されている写真は、料理や子供、旅行など、個人のプライベートなものが多い。その中に、時折、自社製品の写真やキャンペーンの案内などの投稿がある。

「完売した製品は掲載しないなどのルールはありますが、社員が自分の言葉で、製品の好きなところや魅力を発信しています。また、最近では写真撮影が苦手な社員のために、会社から製品写真を提供することも始めました」(代表取締役・岩崎裕美子氏)

マナラ
ランクアップ社員のInstagramの例

 社員全員がインスタグラマーになったのは2年ほど前。岩崎氏が、偶然、インフルエンサーの育成をしている人と知り合ったのがきっかけだった。

「化粧品会社にとって、新しいお客様を獲得することは、常に必要です。そのためにSNSでの発信も重要で、当社でもインフルエンサーの方に製品を提供し、感想をアップしていただくのですが、ご愛用の期間が短い方に感想をアップしていただくよりも、自分たちの製品を愛用している当社の社員が、フォロワー数を増やす方法などを教わって、自らインフルエンサーになるほうが、製品の良さが伝わるのではないかと考えました」(岩崎氏)

 SNSの中でもInstagramを選んだのは、特に若い世代の間では、気になる製品があれば「ググる」のではなく、Instagramで「タグる(SNSのハッシュタグで情報収集をする)」のが一般的になっているからだ。また、ポジティブな情報を発信することでフォロワーが増えるので、製品について発信するのに相性が良い。

 当時、Instagramのアカウントを持っている社員は少なかったが、岩崎氏の提案に、積極性の度合いに差はあれど、とりあえずやってみようという雰囲気が生まれたそうだ。

「『やりたい人はやっていい』ということにすると、実際に発信してくれる人数も少なくなるし、流行らないので、社員全員で始めることにしました。Instagramは本名や顔写真を公開しなくていいことも、抵抗感が少なかった理由だと思います。もともと自分のアカウントを持っていて、その世界観を壊したくない社員には、別のアカウントを作ってもらいました。

 Instagram成功の秘訣はチームで始めることだとアドバイスをもらっていたので、3~4人のチーム制で始めることにしました。フォロワー数などをチームごとに競い合ってもらい、表彰もしています。すると、『チームメンバーのために頑張ろう』と思いますし、フォロワーの増やし方を教え合ったり、うまくいっていないメンバーをフォローしたりするようになりました。1日15分、就業時間中にInstagramの運用をしていいというルールを設けているのですが、その他に、週に30分各チームとミーティングを行なっています」(岩崎氏)

 チームは、当初は3週間ごと、現在は3カ月ごとに組み替えている。フォロワー数や年齢などに差がある人たちを同じチームにするようにしているそうだ。何を投稿すればいいのかわからない社員にも、チームメンバーや他の社員がアドバイスを行なっている。

「例えば、ずっと大阪で暮らしていて、当社に中途入社したことで初めて東京に住み始めた社員から相談を受けたときは、『初めての東京』という視点で銀座や浅草などを紹介するのはどうかと提案しました」(広報部・小林みか氏)

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社員のコミュニケーション活性化にもつながった >



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