THE21 » トピックス » 新世代を先取り?モロッコ流家づくり(モロッコ6)

新世代を先取り?モロッコ流家づくり(モロッコ6)

2020年10月23日 公開
2023年03月10日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(56)石澤義裕(デザイナー)

「はみ出し鉄筋」が意味するものとは?

ここで注目したいのは、屋根からはみ出した柱の鉄筋。

モロッコの物件

日本では滅多に見られない「はみ出し鉄筋」は、子供が成長したら、2階を増築して二世帯住宅にするためです。

つまり、第二ジェネレーションの布石。

孫も視野に入っているので、3階の「第三ジェネレーション」まで続けられますが、最近の若い人は都会に出たまま帰ってこないので、余ったフロアは民泊として貸し出されます。

まさにボクらが住んでいるのは、そういった感じの家です。

建築許可的にはどうなんだ?って疑問がありますが、そこは役所への「コネ」だと威張ってる人がいたり、知らぬが仏だったりするようです。

モロッコでは公道に庭を作る家も少なくないので、やったもん勝ちかもしれません。

モロッコの家

左側の柵で囲まれた緑色の箇所が、道路にはみ出した庭です。大胆です。

 

このようにして「タンス預金ハウス」は、死ぬまで楽しめるライフイベント。

銀行ローンを組まないので、利子のお金を自分の好きなように使えるわけですから、ある意味、資産倍増です!?

以前に訪問したジョージアでは、内装前のアパートメントをブラックフレームと呼び、激安で買うことができました。

DIYを楽しみながら住むジョージア人も、「タンス預金ハウス」だったのです。

 

2022年にコロナが去ったとしても、どうせまたリーマンショックの続編とか、新しい感染症とか、なにかしら天災に襲われて、長く続くとは思えない天下泰平。

「Withなにがし」の時代を生き残るには、新築マンションのブラックフレームや稼ぎにあわせて増築する家で、銀行ローンの金利を抑えるべし。

特徴を並べると、若い人が好きそうなキーワードにあふれてました。

1 いつ完成するかわからない、スローライフ

2 家具が多いと工事できないから、ミニマリズム

3 家族で、ハンドメイド(DIY)

4 成長する家、メタボリズム

5 キャンピングカーを部屋として組み込んだら、秘密基地みたい!

6 そろそろ子供部屋がほしいですー、とかなんとか言って、その都度クラウドファンデイング

7 進捗状況を発信して、ユーチューバーに

 

建築許可的にはどうなんだ?って話は、ブログかYOUTUBEのネタにしてください。

参考にさせていただきます。

THE21 購入

2024年5月号

THE21 2024年5月号

発売日:2024年04月06日
価格(税込):780円

関連記事

編集部のおすすめ

モロッコ流不動産ビジネスの極意とは?(モロッコ5)

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(55)石澤義裕(デザイナー)

なぜか日本人をひきつけるアフリカのインターン・ビジネス(モロッコ4)

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(54)石澤義裕(デザイナー)

モロッコに咲いた「日本流のおもてなしの花」(モロッコ3)

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(55)石澤義裕(デザイナー)
×