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シリコンバレー流「1on1ミーティング」で部下を見透す“9つの話題”



2020年11月11日 公開

世古詞一(サーバントコーチ代表取締役)

世古詞一

日本でも実施する企業が増えている「1on1」。しかし、何をどう話せば部下が成長するのか、戸惑っている上司も多いようだ。専門家の世古詞一氏に、その考え方とノウハウを教えていただいた。

本稿では部下と話すべき9つのテーマについて具体的に説明している一説を紹介する。(取材・構成:林加愛)

※本稿は月刊誌『THE21』2020年11月号より一部抜粋・編集したものです。

 

「上司のため」ではなく「部下のため」の時間

シリコンバレーの企業を中心に行なわれている組織内コミュニケーション「1on1ミーティング」が、近年、日本企業にも広がっています。自分の勤務先でも行なわれているという方もいるかもしれません。

そうでなくても、耳にしたことがある方は多いでしょう。1on1とは、文字通り、上司と部下が1対1で対話をすることです。そう言うと、「従来から日本企業でも1対1の面談を行なってきたじゃないか」と思われるかもしれません。

確かに、業務の進捗報告のように、従来の面談で行なわれていたことも1on1の中で行ないますから、面談は1on1の中に含まれるとも言えます。しかし、1on1は、従来の面談とは違う方向性を持っています。

面談は、原則的に上司のための時間です。部下に目標設定をさせたり、評価や査定の参考にしたりと、上司の必要に応じて行なわれるのが面談です。それに対して、1on1は部下のための時間です。

部下のモチベーションアップやキャリア構築のサポートに主眼を置いています。ほとんどの人は、新入社員の頃は高い意欲を持っているものです。会社の事業に共感し、会社のために役立ちたいという気持ちがあります。

その思いは、3つの要素に分けられます。「仕事で結果を出したい」という業務レベルの思い、「能力を高めて成長したい」という個人レベルの思い、そして、「会社に貢献したい」という組織レベルの思いです。

本人の中で、この3つの思いはしっかりとつながり合っています。ところが、仕事に慣れるに従って、これらの3要素が徐々にバラバラになってしまいがちです。

業務レベルでは「仕事がつまらない」、個人レベルでは「成長を実感できない」、組織レベルでは「会社の考え方がわからない」となり、フラストレーションが生まれてくるのです。

そのまま放置していると意欲がどんどん低下し、離職につながることもあります。1on1の目的は、上司と部下の間でこの3要素をすり合わせ、部下が働きがいを感じながら成長し、成果を上げるようにすることにあります。

実際、ある日本の大手企業では、1on1の頻度と従業員満足度やエンゲージメントとの間に明らかな相関関係が確認されているということです。

 

話すべきテーマは3×3の中にある

では、具体的に、1on1で何を話せばいいのか。それがわからず、悩む上司は少なくありません。基本は、前述の「業務」「個人」「組織」の各レベルで、部下が考えていることを聞き出すことです。

さらに、それぞれのレベルを「現在」「過去」「未来」の3つに時間軸で分けるといいでしょう。こうすることで、細やかな対話ができます。つまり、1on1で部下と話すテーマは9つあることになります。それを整理したのが、「すり合わせ9ボックス」です。

1回の1on1で、9つのテーマ全部を話す必要はありません。毎回、部下それぞれの状況に合わせて、どのテーマに重点を置くかを決めましょう。

新入社員なら「業務レベル」の話が多くなるでしょうし、マネジャー的なポジションが視野に入ってくる中堅社員なら、「組織レベル」の話をするのが有意義でしょう。

「個人レベル」の「現在」に当たる「ライフスタイル」については、1on1の冒頭で雑談のように話すことで、ざっくばらんな雰囲気を作り出すことができます。「どう、調子は?」「週末はどこか行ったの?」などと聞くのです。

家族や趣味、関心事、副業をしているならその内容なども「ライフスタイル」に入ります。ただ、「ライフスタイル」については話したくない部下もいますから、ムリに聞き出すのは禁物です。反応を見つつ、積極的に話したがっているようなら、関心を持って耳を傾けましょう。

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