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毎日不安で「寝たいのに寝られない」…医師が教える“深い呼吸”の効能

2020年12月09日 公開

小林弘幸(順天堂大学医学部教授・日本体育協会公認スポーツドクター)

 

「深い呼吸」が熟眠ルーティンをつくる

生活習慣や食事に気をつけていても、布団に入って「ちゃんと眠れるかな……」と不安になってしまうこともあるでしょう。すると、不安から呼吸が浅くなり、それにつられて交感神経が優位になり、本当に眠れなくなってしまいます。

このようなときこそ実践したいのが、「呼吸法」です。自律神経をコントロールするには、呼吸を変えればいいのです。私はベッドに入ると「1:2の呼吸」を3分間続ける熟睡ルーティンを行ないます。方法は、3秒間息を吸い、6秒かけて吐き出すだけです。

すると、副交感神経が優位になって、全身がリラックスし、血流がよくなってじんわりと温かくなり、いつの間にか眠りに落ちています。眠りの質は最初の90分間が重要で、寝始めから深い睡眠に入れると、たとえ短時間睡眠であっても、寝覚めはすっきりします。この呼吸法を実践すると、初めから深い睡眠に入れます。

1日の中で私が呼吸法を実践するのは、寝る直前だけです。ただし、呼吸を深くするためのルーティンは、日常生活のあちこちに組み込んでいます。

例えば、スマホのトップ画面を可愛いペットの写真や海などの気持ち良さそうな風景写真にすることも「呼吸」を深くさせるきっかけになります。最近ではインスタグラムに、日常生活で撮った心地よい風景の写真をアップしています。

忙しい日常でも、外出先や出張先で出会った美しい光景や印象的なものを記録する。その行為が呼吸を深くし、自律神経を安定させ、心の余裕を生む効果があるのです。

また、30代の頃、イギリス、アイルランドの大学病院に留学していたときに始めたのが、「3行日記」です。夜寝る前に悪かったこと、良かったこと、感謝することをノートに手書きでそれぞれ一つずつ書きます。

例えば、「今日は夕食を食べ過ぎた」「天気が良くて気持ちよかった」など、何でもいいのです。そして、最後は「今日も、1日無事に過ごせてありがとう」と感謝で終えます。

ストレスや悩みを抱えているときは、その原因と、今の自分にできる解決策を書き出すといいでしょう。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、不安や恐怖は曖昧なままだから、ますます心を不安にさせるのです。

誰かに話したり、書き出して言葉にできたら、心の重荷を少し軽くすることができます。そして、言葉にしてみると「なんだそんなことか」「くよくよ考えてもしょうがない」と客観視できることもあります。

この3行日記は、残すものでも、人に見せるためのものでもありません。最大の目的は心を整理して、呼吸を深くするためにあるのです。

 

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