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1銘柄が億に化ける? 有名投資家が「小型株1銘柄投資」にこだわる理由

2021年02月05日 公開
2023年02月21日 更新

遠藤洋(投資家/投資コミュニティixi(イクシィ)主宰)

遠藤洋

「リスクが怖い」「どう始めればよいかわからない」……。いまだに株式投資と聞くと、このような声を聞くことが多い。

しかし、投資未経験の会社員に、マンツーマンで株式投資を指導した書籍『お金知識ゼロ!普通の会社員でも株で1億円つくる方法をイチから教えてください!』(PHP研究所)の著者で、元会社員の「億超え」投資家である遠藤洋氏は、正しいやり方で株式投資を始めれば、損失も限定的な金額で抑えられるという。

そこで、本稿では、遠藤氏が実践している投資法を詳しく紹介する。(取材・構成:前田はるみ)

※本稿は『THE21』2020年4月号より一部抜粋・編集したものです。

※本稿は2021年2月時点の情報に基づき、投資に対する考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。

 

時価総額が小さい「小型株」が超有望

もし、将来や老後のお金に不安を抱えているけれど、日々の仕事に追われるだけで、自由な時間も資産も少ない。それでも「時間や元手もないけど、とにかくお金を増やしたい」と考えるなら、私がお勧めするのは、「小型株1銘柄投資」です。

つまり、時価総額が小さな会社の株、1銘柄に集中的に投資する方法です。なぜ小型株1銘柄投資がいいのか、詳しく説明しましょう。その前に押さえておきたいのは、「小型株」とは何か、ということです。

小型株とは、少額で買える株ではなく、「時価総額が小さな会社」の株のことです。そして、時価総額とは、会社を丸ごと買うときの値段です。キャベツにたとえるなら、「時価総額」は「キャベツ1玉」であるのに対し、「株価」は「千切りしたキャベツのひとかけら」です。

そのキャベツが高いか安いかは、キャベツ丸ごとの値段を見なければわかりません。同じように、会社の値段を判断するには、時価総額を見る必要があります。では、なぜ時価総額が小さな会社の株が良いのでしょうか。それは、伸びしろを考えれば、時価総額が小さな会社のほうが有望だからです。

例えば、株価が2倍になるには、時価総額が2倍になる必要があります。時価総額1兆円の会社の場合、株価が2倍になるには、あと1兆円の時価総額が必要です。一方、時価総額100億円の会社の場合、時価総額があと100億円増えるだけで、株価は2倍になります。

時価総額の増加分は、その会社が新しく世の中に提供する価値ですから、時価総額が小さな会社のほうが、株価を2倍にするためのハードルが低いことがわかります。小型株の時価総額の目安は、300億円以下です。

 

株の常識「分散投資」が実は高リスク

次に、なぜ集中投資すべきかを説明しましょう。多くの投資家は、複数の銘柄に投資する分散投資が安全だと思っています。一般的な投資の本にもそう書かれています。しかし、実は分散投資こそが勝てない投資の典型なのです。

想像してもらいたいのですが、100万円で10銘柄に分散投資する場合と、1銘柄に集中投資する場合では、どちらのほうが真剣に銘柄を探しますか? 10銘柄も選べるとなると、よくわからないまま、とりあえず買ってしまう銘柄もあるでしょう。1銘柄に集中投資するほうが、「失敗できない」という意識が働き、丁寧に調べるはずです。

また、投資したあとも、集中投資なら値動きや関連ニュースをチェックして、しっかりとケアできます。複数の銘柄に分散投資してしまうと、「あれ、この株、なんで買ったんだっけ?」と買った理由すらわからなくなり、保有株の管理がおろそかになる人が多いのが現実です。

資産を増やしたいのなら、1年以内に株価が3倍以上になりそうな株を見つけて、集中投資するのが一番です。

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