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しつこい「昭和の営業」、熱心な「令和の営業」の決定的な違い

2021年03月03日 公開
2022年10月17日 更新

伊庭正康(らしさラボ代表)

営業トーク

こんな「切り返しトーク」は古い

ところで、営業をしていると、嫌になるくらい「断られる」ことが多いもの。そこで、「切り返しトーク」をトップセールスたちから学ぶわけです。

でも、先輩のトークを聞くと、「ちょっと強引だな」「ちょっと古いな」と〝昭和臭〟を感じることはないでしょうか。一例を紹介すると、

【昭和の切り返しトーク:パターンA】

お客様「忙しいので結構です」
営業「皆様、そうおっしゃいますが、最後はお会いいただけることが多いんです」

【昭和の切り返しトーク:パターンB】

お客様「他社を使っているので結構です」 
営業「それでしたら、弊社の商品力を改善させていただきたいと存じます。ぜひ一度、お話をお聞かせいただけませんか」

確かに、昔はこんな感じでした。

ちょっとした「言葉遊び」で、それが〝粋〟でもあり、時代がそれを許容してくれていました。私が営業をやり始めたのは平成になってからでしたが、当時はこのようなトークを使っている先輩がたくさんいたのも事実です。

 

お客様の立場に立った「切り返しトーク」

でも、時代は変わりました。これだと、今では「強引」にしか聞こえないでしょう。場合によっては、悪評判が蔓延してもおかしくありません。

今は、言葉遊びではなく、丁寧な言葉を使って、「お客様の流れに乗る」ことがお勧めの方法です。切り返しトークもこんな感じです。

【令和の切り返しトーク:パターンA】

お客様「忙しいので結構です」 

営業「そうでございますよね。大変、申し訳ございません。きっと、お忙しいと思っておりました。そうだと思いまして、今の半分のコストで〇〇が実現できる情報を一言でご紹介できればと整理をしております。もしよろしければ、情報収集の一環として、お聞きいただけませんでしょうか」

【令和の切り返しトーク:パターンB】

お客様「他社を使っているので結構です」 

営業「そうでございましたか。お忙しいところ、そうとは知らず、本当に申し訳ございません。実は、そのようなお客様にこそ、ご紹介したいサービスの御案内でして、おそらく今の半分のコストで〇〇が実現できる情報でございます。

一言でご紹介できればと整理をしております。もしよろしければ、ぜひお話をさせていただけませんでしょうか。情報収集の一環として、ご損はないと自負しております」

いかがでしょう。お客様の会話に乗っかります。これが今流。「強引」さは、あまりないでしょう。

さらには、「明確なメリット」をフックにすることで、関心を持っていただきます。もし、断られたとしても、あなたの「感じの良さ」を残すことができるでしょう。

次のチャンスをなくさないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

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