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「男性正社員と終身雇用」の“勝ちパ”終焉…優遇ではない「女性起点」の組織が成長する

2021年05月20日 公開
2022年08月01日 更新

小田木朝子(NOKIOO取締役)、沢渡あまね(あまねキャリア工房代表/NOKIOO顧問)

 

「女性支援」の発想を「女性起点」に転換する

「女性起点」とは、決して女性優遇を意味するのではない。男女を問わず、従来の統制型組織では「制約条件がある」とされていたけれども、成長意欲が高い人たちが、高い成果を上げられるように、職場環境や仕事のやり方を変えることだ。

そうすることで、これからの時代に勝てる組織へと健全にアップデートするというのが、沢渡氏の考えだ。

例えば、育児中の女性社員が、「営業職として高い成果を出したいという意欲があるが、時間に制約があるので、テレワークを認めてほしい」と提案する。

また、「限られた時間内で、より効率的にチームメンバーと連携して生産性を高めたいので、情報共有のためのクラウドツールを導入してほしい」と提案する。

これらは、自分がラクをするためではなく、「もっとチームに貢献したい」「自分の責任を果たしたい」という成長意欲があるからこその提案であり、実現すれば本人もチームもパフォーマンスが上がる。

成長意欲が高い人の制約条件を取り払うことで、業務プロセスの改善が進んだり、環境変化に強いチーム作りができたりすれば、最終的には、ビジネスモデルの変革や企業価値向上につながる。

組織全体の成長戦略として女性活躍を位置づけることが、あらゆる企業において求められているのだ。

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