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依頼に応えるだけの仕事への疑問…世界的デザイナーは「組織と自分」をどう考えたか

2021年05月24日 公開
2023年02月21日 更新

深澤直人(プロダクトデザイナー)

 

感受性に立ち返り「美しい考え方」をしよう

今は加工された情報がどんどん流れ込む時代で、それをもとに頭で「考える」ことは得意でも、「感じる」ことは苦手な人が増えています。しかし、「心地いい」「気持ち悪い」といった身体的な感触に基づく感受性に立ち返らなければ、本当に良いものを探し当てることはできません。

仕事でも、人生でも、人はたびたび岐路に直面します。そのとき、進む道をどのように決めるか。私が勧めるのは「美しい考え方」を軸にすること。

「どちらを選べば成功するか」と結果を考えるのではなく、「こちらを選ぶことが自分にとって美しい」と感じるほうを選べば、その先にある生活や人生は、おおむね良い方向へ進むんじゃないでしょうか。

感受性を働かせる機会は、日常のあちこちにあります。例えば、カフェに入って、「一番座りたい席にちゃんと座ろう」と考える。これが「美しい考え方」です。

一つひとつの選択を「どうでもいいや」と投げ出していると、自分の中の感受性を失ってしまう。美しさを感じる力は、デザイナーやアーティストだけでなく、本来、誰もが持っているもの。ぜひ皆さんも、その力を蘇らせてほしいと思います。

 

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