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コロナ禍で知っておきたい健康の新常識

2021年07月01日 公開

THE21編集部

 

長時間労働で、うつ病リスクは2倍以上に

コロナ太りと同じくらい危惧されているのが、コロナうつである。リモートワークだと仕事のオンとオフの切り替えが難しく、かえって労働時間が長引いているという声も耳にする。しかし、もちろん労働時間が増えれば、うつ病などに罹る確率は上がる。会社で仕事をしていれば、上司など周囲がストップをかけることもできるが、リモートワークだとそういかない。だからこそ、自分でしっかりと管理する必要がある。

在宅勤務時にかぎった話ではないが、1日の労働時間が10時間を超えると危険信号だ。イギリスの公務員を対象にした調査によると(米科学誌「『プロスワン(PLoS ONE)』電子版、2012年1月25日)、1日の労働時間が11時間だったビジネスパーソンが重度のうつ病を発症する確率は、7~8時間の人の2.3~2.5倍だった。飲酒や社会的支援の有無、仕事の負担といった他の要素を考慮しても、長時間労働とうつ病の関係は変わらなかったという。

研究・調査を主導したフィンランド労働衛生研究所の論文によれば、仕事と家族の板挟み、ストレスホルモン濃度が高い状態が続くこと、さらには仕事の後にひと息つく時間がないことなどが可能性に挙げられるという。自粛期間中、オンとオフの切り替えができずに、絶えず緊張状態に置かれている人は、11時間を超えずとも、うつ病に罹らないように気を付けたほうがいいだろう。

 

 

「仕事の合間の一服」の新常識

外出自粛が続き、自宅での生活時間が増えるなかでは、心のストレスをいかにコントロールするかが重要な問題となる。コーヒーを飲んだり、散歩や軽いランニングをしたりと、日常のストレスを軽減する方法は人によってさまざまだろう。なかにはタバコで一服が何よりの気分転換、という人も多いはず。喫煙者には何かと風当たりが強い昨今だが、そんな状況でいま注目を集めているのが、煙やニオイ、健康懸念物質の少ない加熱式たばこである。この加熱式たばこに関しても、近年の研究でさまざまな「新常識」が明らかになっている。

たばこを吸わない人にとっては、そもそも加熱式たばこがどのようなアイテムなのか、イメージがわかないかもしれない。加熱式たばことは、紙巻たばこのようにたばこ葉を燃焼させるのではなく、加熱により蒸気を発生させることで、たばこの味や香りを愉しむ製品である。燃焼による煙が発生しないため、周りの迷惑になる可能性も低くなり、匂いも残りづらいとあって、年々愛用者を伸ばしている。

とはいえ、「たばこ葉を使わないわけではないのだから、健康リスクが高いのではないか」との見方がされることもある。ここで紹介したいのが、北里大学医学部附属臨床研究センターの熊谷雄治教授が協力した調査・研究(JT<日本たばこ産業>発表「加熱式たばこに関する科学的な調査結果」、2021年4月22日)だ。

このリサーチは、日常的に紙巻きたばこを吸っている人が、加熱式たばこ(「プルーム・テック・プラス」「プルーム・エス・2.0」を含む4種)に切り替えた際に、体内に取り込まれる健康懸念物質の曝露量の変化を5日間にわたり調査したというもの。その結果、紙巻きたばこから加熱式たばこに切り替えた喫煙者では、健康懸念物質の曝露量が紙巻きたばこを喫煙し続けた人よりも大きく減ったばかりか、禁煙した場合と同様のレベルになった、ということだった。煙や匂いだけでなく、健康懸念物質も大きく減ったわけである。

健康リスクがより少ない可能性がある「リスク低減製品」としての加熱式たばこについては、現在もさまざまな角度から研究が続いており、身体への長期的な影響についても、調査・研究が行なわれているところだ。しかし、少なくとも現段階において、加熱式たばこを使用することで、紙巻きたばこの喫煙に比べて、体内に取り込まれる健康懸念物質の量を大きく減らすことができるというデータがあるのは事実である。これは、たばこの一服でストレスを解放している人にとっては、同じく「ほっと一息つける」ニュースではないか。

健康については、次々といろいろな調査・研究が行なわれ、「新常識」が生まれている。しかし、そうしたエビデンスを省みることなく、従来からの印象論だけで語られてしまうケースが多い。コロナ禍はまだこの先も続き、自分の身は自分で守らなければいけない。そんな時代だからこそ、固定観念に囚われることなく、新たな知見に触れることが大切ではないだろうか。

 

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