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「1on1で部下も自分も成長させられる上司」の習慣

2021年09月08日 公開

山下貴宏(R-Square & Company社長/共同創業者)

 

他部門からの意見は新たな知見が得られるチャンス

2つ目は、他のマネージャーや他部門の方からのフィードバックを得る方法です。自部門と比べて利害関係があまりないので、フィードバックを得やすい相手と言えます。

特に同じ年次のマネージャーを集めて行う「情報共有会」が有効です。「若手の育成方法について情報共有しよう」「最近出た新製品の売り方はどう指導している?」など、テーマを決めて議論します。

若手の育成については、参考になりそうな「部下への問いかけ方」についても積極的に情報を集めるといいでしょう。どのような状況の部下にどのような質問をしたら良い方向に進んだのかなどを、具体例を交えて共有しあうことをお勧めします。

また、日々の業務で接点のある関係者や、プロジェクトで一緒に動いている人に、月1回でもいいので、今の進捗や自分の仕事の進め方について意見をもらえるよう依頼してみるのもいいと思います。自分のチームで行っていることの有効性を、客観的に知るいい機会になります。

例えば、営業の定例ミーティングに他部門からも参加してもらって、自分のチームミーティングの仕方について客観的なフィードバックをもらう。そこで「上司ばかり話していて、メンバーの意見を吸い上げていない印象ですね」とか「連絡・報告事項だけで議論の場がない。ミーティングをやる意味があるのかな?」などの意見が出てくると、自分では気づけていなかったことにハッとさせられることもあるでしょう。

 

部下指導のログをとって振り返る

3つ目は、データを取得し、蓄積していくことです。部下ごとに、コーチングをした回数や、「次のアクションが明確になったか」「実行できたか」などのログをとるのです。

情報を可視化することで、部下の成長だけでなく、上司の指導の傾向も見えてきます。例えば、ログを見返して、部下の「次のアクションが明確になった」にチェックがなかったら、「この時、自分は何を話したかな?」と振り返って、次の1on1に活かしてください。

データの蓄積は、部下個人だけでなく、組織の育成施策にも応用できます。例えば「パートナーとの協業シナリオの作成」に対して反応が鈍いなどの共通テーマがログの蓄積から見えてくれば、チームの課題が浮かび上がってきます。チーム全体の弱点がわかれば、会社として強化すべきトレーニングコンテンツも明確になりますよね。

データを通じて、1on1だけではなく、その先にまでつなげられる。ここまで発展的に行う企業はまだ少ないですが、実践できれば一石二鳥です。

DXの加速で、個々の営業やチームのあり方として、データで改善を促すのは必然の状況です。実際、データを整理・分析するアプリを使って、営業の育成やチーム施策の有効性を検証する企業も増えています。

これまで、上司・部下の関係は、徹底した指導や「背中で見せる」側面も少なくありませんでした。これからは、客観的な判断のもと、上司・部下の双方が「歩調を合わせながら」進んでいくイメージでの成長が望まれます。

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