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今さら聞けない「楽天経済圏」が圧倒的なワケ

2021年10月01日 公開
2023年02月21日 更新

小林亮平(YouTubeチャンネル「BANK ACADEMY」管理人)

 

楽天カード・楽天銀行・楽天証券の利用から始めよう

楽天経済圏の第一歩としては、まず楽天カードを申し込んでみましょう。楽天カードはCMでもよく見かけるかと思いますが、年会費が永年無料のクレジットカードです。利用額に対する還元率が1%のため、100円につき1ポイントがもらえます。

たとえば楽天カードを1カ月で3万円使用したら、1%の300ポイントが還元されるイメージです。一般的なクレジットカードは0.5%程度の還元率が多いため、楽天カードの還元率は比較的高いと言えるでしょう。

この楽天カードを使い、街中でのショッピングなど、日常生活の支払いを済ませるだけで、自然と楽天ポイントが貯まっていきます。ただ、ポイント目当てで楽天カードを使いすぎるのが不安な方は、固定費の支払いに利用することから始めるといいでしょう。

たとえばスマホやポケットWi-Fiなどの通信費、車のガソリン代、保険料、水道光熱費などの公共料金を楽天カードで支払えば、無駄遣いすることなく毎月自動でポイントが貯まります。ただし、公共料金や税金などの支払いは500円につき1ポイントで、0.2%の還元なので気を付けてください。

また楽天カードは、楽天市場や楽天トラベルなど、関連サービスの支払いに利用する際は還元率が上がるケースもあります。さらに、対象店舗での買い物の際に提示してポイントが貯まる楽天ポイントカード機能なども付帯しているので、上手く使いこなせばどんどん楽天ポイントが貯まっていきます。

楽天カードの次は、楽天銀行と楽天証券も試してみるといいでしょう。楽天銀行と楽天証券は、いずれも実店舗を持たないインターネット専業の金融機関ですが、楽天カードをあわせたこれら3つのサービスを一緒に使うことで、様々なポイント還元などの相乗効果が生まれます。

まず、楽天銀行と楽天カードの併用には2つのメリットがあります。1つ目は、楽天カードの引き落とし先を楽天銀行にすると、楽天銀行のお客さま優遇プログラムであるハッピープログラムにより、会員ランクに応じて最大9ポイントが毎月もらえることです。

ハッピープログラムは、この他にも、他行口座からの振込や給与の振込などで最大3ポイントが付与されるので、日常の生活で何気なく利用しているだけでポイントが少しずつ貯まっていきます。

2つ目は、楽天市場におけるSPU(スーパーポイントアッププログラム)が達成されて、楽天市場の買い物におけるポイント倍率が+1倍(+1%)になることです。

楽天市場は日本最大級の通販サイトなので利用したことがある方も多いと思いますが、仮にSPU+1倍となった状態で、楽天市場で1万円の買い物をすると、100ポイントが付与されます。

また、楽天証券と楽天カードの併用にも大きなメリットがあります。投資信託の積立を楽天カードでクレジット決済することができ、積立額の1%が楽天ポイントとしてもらえるので、人気が高いです。

投資信託は様々な株式などが袋詰めになった金融商品で、つみたてNISAでも選ぶことができるので、投資の一歩目に投資信託を購入する方が最近は多いです。たとえば、楽天証券で楽天カードクレジット決済で投資信託を月3000円積立すると、積立額の1%である30ポイントが毎月手に入ります。

楽天カードクレジット決済は月5万円が上限なので、最大で月500ポイント、年間でなんと6000ポイントも獲得できます。最後に、楽天銀行と楽天証券の併用にも2つのメリットがあります。

1つ目は、楽天銀行と楽天証券を連携(マネーブリッジ)するだけで、楽天銀行の普通預金金利が年0.02%から年0.1%に上がることです。2つ目は、楽天証券での取引に関しても、楽天銀行のハッピープログラムの対象になってポイントがもらえるようになります。

特に、楽天証券で保有の投資信託の残高10万円ごとに3~10ポイントをもらえるのが人気で、つみたてNISAで投資信託の積立をしていくだけで、獲得できるポイントが増えていきます。

このように、楽天カード・楽天銀行・楽天証券の相乗効果により、手間がかからず自然とポイントが貯まっていくので、楽天経済圏の中でもまず揃えておくべきサービスと言えるでしょう。

 

楽天市場の買い物でポイントを貯めよう

日本最大級の通販サイトである、楽天市場についても知っておきましょう。企業や個人が運営する店舗がサイト内に用意されていて、パソコンやスマホからのネットショッピングができます。

ネットショッピングと聞くと、最近はAmazonを利用する人が多いですが、楽天市場は少しコツを押さえて買い物するだけで、+15~20%程度のポイント還元も狙えます。楽天市場において、最低限知っておくべきコツは3つあります。

1つ目は、「5と0のつく日」と呼ばれるキャンペーンで、毎月の5日、10日、15日、20日、25日、30日に、楽天市場のホームページ上でエントリーして、楽天カードで買い物すれば、+2倍(+2%)もらえます。

仮に、5と0のつく日に1万円の買い物をした際は、+2%の還元で+200ポイントがもらえて、手軽に獲得ポイントを増やすことができます。

2つ目はSPUで様々な楽天サービスの条件を満たして使うことで、その月に楽天市場での買い物でもらえる倍率が最大15倍程度まで増えるプログラムです。

たとえば、楽天カードを使って楽天市場で買い物をすると+2倍、楽天カードの引き落とし先を楽天銀行にすると+1倍、楽天証券でポイントと現金合わせて500円分以上の投資信託を購入すると+1倍になります。

これらのSPU達成と、楽天会員にもともと付与される1倍を合わせると、5倍程度までは割と簡単に倍率を上げることができるでしょう。

SPU対象サービスは色々ありますが、まずは楽天カード、楽天銀行、楽天証券のSPU達成を優先して、あとは自分が普段から利用する楽天サービスだけ、条件達成を考えればOKです。

※5と0のつく日のエントリーは毎回必要。上限ポイント数は月間3000ポイントで翌月15日以降に付与
※SPUの上限ポイント数、ポイント付与日などは各サービスによって異なるので、楽天市場のホームページで要確認

3つ目はお買い物マラソンと呼ばれる、ほぼ毎月、楽天市場で約1週間程度開催される、ショップ買いまわりでポイント倍率が上がるキャンペーンです。

楽天市場はたくさんの店舗がサイト内に掲載されていますが、お買い物マラソンの期間中にホームページ上でエントリー後、1000円以上(税込で送料含まず)購入したショップ数で最大+9倍まで増えていきます。

5と0のつく日とお買い物マラソンは併用可能なので、仮にお買い物マラソンがある月の4日~11日だとしたら、5日もしくは10日に買い物すれば両方のキャンペーンが適用されます。

ショップ買いまわりで人気の商品は、ティッシュやトイレットペーパー、ミネラルウォーター、コンタクトレンズ、洗剤などの日用品です。ティッシュやトイレットペーパーは、まとめ買いなら送料無料になることもあります。

あとは本(新品)や家電製品なども購入する機会があれば、ショップ買いまわりで注文するといいでしょう。またショップ買いまわりの達成には、楽天ふるさと納税も活用するのがおすすめです。

ふるさと納税とは、地方の自治体に寄付した際に、実質2000円の負担で各地の特産品などがもらえるお得な制度だと思って下さい。

この楽天ふるさと納税の寄付も、お買い物マラソンにおけるショップ買いまわりの対象になるので、寄付先の自治体が異なっていれば、それぞれ1ショップとしてカウントしてくれるため、仮に5つの自治体に寄付した際は、5ショップの達成となります。

まとめると、5と0のつく日で+2倍、SPUで+5倍、お買い物マラソンで+9倍としたら、計16倍つまり16%ものポイント還元になるので、合計4万円の買い物なら6400ポイントの獲得になり、大変お得と言えるでしょう。

※お買い物マラソンの上限ポイント数は7000ポイントで翌月15日頃に付与
※3カ月に1回ほどの頻度で開催される楽天スーパーSALEなども、お買い物マラソンと同じようにショップ買いまわりの特典あり

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