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社内ベンチャーだったアスクルを躍進させた、岩田彰一郎氏の「ラグビー型経営」

2021年12月24日 公開

岩田彰一郎(フォース・マーケティングアンドマネージメントCEO)

 

癖のあるメンバーも長所に目をつけて活かす

もちろん、「ラグビー型経営」は一朝一夕には成し得ません。そのために様々なことを、日々、実践してきました。

まず、一人ひとりの個性を尊重する風土を作ること。

プラスでアスクルの事業推進室が立ち上がったとき、メンバーは室長の私を含めてたった4人しかいませんでした。しかも、社内トップクラスの人材ではなく、野球で言えば「性格は悪いけど、豪速球を投げる」というような、ひと癖もふた癖もある従業員ばかりでした。

しかし、メンバーの短所や苦手なことばかり嘆いていても、何も始まりません。そこで私は、「この人はややルーズだけど、メーカーとつながる力が強い」「仕組みを作るのが得意」などと、メンバーの長所や得意なことに目を向けて、それをうまく組み合わせることを考えました。

その結果、ケンカをしながらも、新規事業を強力に進められるチームができあがったのです。この成功体験から、組織が大きくなっても、「個性を活かす」という考え方を貫きました。

長所を活かして結果を出せば、その人は自信をつけます。すると、主体的に仕事をするようになり、ますます自分の力を発揮してくれるようになるわけです。

 

物理的にもフラットなオフィスを作る

物理的にも、フラットな環境を整えることが大切です。

いくら「ヒエラルキーをなくしたい」「フラットな人間関係を」と口で言っても、「社長が最上階の社長室に籠っている」「机や椅子が役職によって違う」というように、ヒエラルキーを感じさせるオフィスになっていたら、フラットな関係にはなりません。

そこで、アスクルでは、オフィスを徹底的にフラットにしました。

1500坪の倉庫をくり抜いたワンフロアのオフィス。社長室はなく、社長の私も一般従業員も皆同じ机と椅子に座りました。パーティションもないので、私が何をしているかを全従業員が見られました。

オフィスが手狭になり、上下2フロアに拡張したときも、一体感が出せるように、フロアの中央に階段のある大きな吹き抜けを作ってもらいました。

このような環境にいれば、心もフラットになれます。

また、皆の行動が見えるので、誰かが誰かを怒鳴っているようなことがあれば、すぐにわかります。もしパワハラが疑われるようなことがあった場合は、その人を呼び出して厳しく注意しました。こうした配慮も、フラットな環境を作るために欠かせません。

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