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じつは年齢は関係ない...「脳の老化が進みやすい人」の特徴

2022年01月07日 公開

加藤俊徳(脳内科医、医学博士)

加藤俊徳

1万人以上の脳画像を診断してきた、脳内科医の加藤俊徳氏。加藤氏によれば、脳は一生成長し続けることが可能だという。そのために必要なのが、いまだ使われていない「潜在能力細胞」を目覚めさせること。脳を刺激し、40~50代からでも成長させる方法をうかがった。(取材・構成:前田はるみ)

※本稿は、『THE21』2022年2月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

脳は「成長するか」「衰えるか」の二つに一つ

人間の脳は3歳までにほぼ成長し、大人になるともう成長しないと考えられていましたが、そのようなことはありません。長年、脳画像を研究してきてわかったのは、使い続ける限り人間の脳は、いくつになっても成長し続けるということです。

しかも、私たちの脳には、大人になっても使われずに眠ったままの「潜在能力細胞」が膨大に残されています。それらを目覚めさせれば、死ぬまで脳を成長させることができるのです。

その一方で、使わなければ、脳は衰えていきます。使わないものは不必要なものと認識されるので、使わない脳細胞から衰えていくのです。

子供は好奇心旺盛で、色んなことを貪欲に学んでいくため、脳もどんどん成長していきます。ところが、大人になって学ばなくなると、脳の成長が鈍化して、結果的に衰えを感じるようになるというわけです。

つまるところ、脳は「成長しているか」「衰えているか」の二つに一つしかありません。「脳の老化」とは、脳の成長が緩やかになることだと私は考えています。

 

加齢により脳に「錆び」が溜まりやすくなる

脳の老化のもう一つの要因に、アミロイドβという老廃物の蓄積があります。

脳を使うと、酸素が消費され、酸化によって老廃物が生じます。脳の老廃物とは、いわば脳が酸化してできた「錆び」のようなものです。この錆びが、40代後半になると脳内に溜まりやすくなります。

そして、アミロイドβが溜まりすぎると、脳の萎縮の引き金が引かれ、記憶障害などの症状が出現し、アルツハイマー型認知症に進展していくと考えられています。老廃物の蓄積を防ぐには、睡眠や食生活、運動などの生活習慣の改善が効果的であることが、近年の研究で明らかになっています。

まず、睡眠中には脳内の老廃物の排泄が促進されます。老廃物は覚醒時にも排泄されていますが、睡眠中にはそのおよそ1.5倍に増えるのです。

しかも、深い睡眠(ノンレム睡眠)では、記憶が定着すると言われています。つまり、クオリティの高い睡眠をしっかり取ることで、私たちの脳は老廃物を排泄し、さらに記憶力も強化され、老いない脳になっていくのです。

食べ物に関して言えば、ショートニングやマーガリンなどのトランス脂肪酸が含まれたものを食べると、老廃物が沈着しやすくなります。ですから、そういった食べ物を避けるのは、脳の老化防止に役立ちます。

また、運動をすることで、アミロイドβの蓄積を防ぐ効果があることもわかっています。これまでの話をまとめると、脳の老化を食い止めるには、脳を働かせて脳の成長を止めないことと、老廃物を溜めない生活習慣が大切なのです。

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