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<連載>「パラアスリートの肖像」第12回 ローポインター <藤澤潔(車いすバスケ選手)>前編

2018年08月17日 公開

山田清機(ノンフィクション作家)、人物撮影=尾関裕士

 

(前回までの内容はこちらから)

 

 

パラスポーツの花形

不敵な髭面に、サイドだけを刈上げたベリーショートスタイルの髪型。車いすバスケットボールの強豪チーム、「埼玉ライオンズ」に所属する藤澤潔(31歳)は、リオパラリンピックに出場した日本を代表する車いすバスケの選手であると同時に、その〝ちょいワル風〟の風貌が女性誌でフィーチャーされるほどの人気選手でもある。

去る5月19日、20日の両日、東京都調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された、天皇杯第46回日本車いすバスケットボール選手権大会。この大会は、国内における車いすバスケの最高峰の大会であると同時に、今年は二重の意味で特別な大会だった。

ひとつは、今年から優勝チームに天皇杯が下賜されることになったこと、もうひとつは会場の武蔵野の森総合スポーツプラザが、2020年の東京パラリンピックで車いすバスケの試合会場に決定したことである。

私は車いすバスケの試合を観るのは初めてだったが、パラスポーツの花形と呼ばれる車いすバスケはさすがに競技レベルも人気も高く、これまで観てきたいくつかのパラスポーツの大会との〝格の違い〟を感じずにはおれなかった。

アリーナの入り口では、スポンサー企業による車いすバスケの体験コーナーが設けられていた。ひとつは三菱電機のブースで、こちらは競技用の車いすに乗ってシュートを実体験するもの。もうひとつはサントリーのブースで、やはり競技用の車いすに乗りVRのヘッドセットを着けて車いすバスケの試合を仮想体験するものだ。

体験コーナーを通り抜けるとアリーナ席があり、その真ん中にメインアリーナがある。DJ風のスポーツMCが選手紹介や実況を担当し、試合が中断すると大音量でダンサブルな音楽が流れる。巨大な液晶パネルに観客の顔を映し出していく演出は、ピョンチャンパラで観たパラアイスホッケーの試合とよく似ている。

ハーフタイムにはBリーグ(プロのバスケットリーグ)の「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」のチアリーダーによるハーフタイムショーも披露され、この大会が障がい者のリハビリテーションの延長上に位置する特殊な大会ではなく、あくまでも一般のスポーツ大会と同じ大会であることを象徴しているようだった。

試合内容も文句なしにそれを裏打ちするレベルであり、エンターテインメントとしても一級品であることは間違いなかった。

午前中に開催された1回戦の段階で、アリーナ席のほぼ半分が、2階席も3分の1ほどが埋まっていた。車いすバスケはパラスポーツのなかで〝客を呼べる〟数少ない種目のひとつであり、それゆえに、独特の緊張感が漂う世界でもあった。

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猛烈なスピードと激しい衝突 >



著者紹介

藤澤潔(ふじさわ・きよし)

車いすバスケ選手

1986年、長野県長野市生まれ。5歳の時、跳び箱から落ちて脊髄を損傷し、車いすの生活となる。中学2年で体験会への参加をきっかけに車いすバスケを開始。高校1年のとき、本格的に車いすバスケットボールをはじめ、2005年、世界ジュニア選手権大会への出場をきっかけにパラリンピックを目指しはじめる。12年、長野WBCから埼玉ライオンズに移籍。2014年、北九州チャンピオンズカップ出場。15年、リオデジャネイロパラリンピック予選であるIWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ男子日本代表。16年、リオパラリンピック男子日本代表。

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