ホーム » Voice » 政治・外交 » なぜ第一次世界大戦は「大戦争」になってしまったか

なぜ第一次世界大戦は「大戦争」になってしまったか



2018年10月22日 公開

倉山満(憲政史研究家)

1850年ごろの「五大国」の国力比

さて、西欧国際秩序が世界にじわじわと広がってきたのが「長い19世紀」です。

明治天皇が生まれる前、1851年(嘉永4年)までの世界の状況を概観しておきましょう。このころの「世界」とはヨーロッパのことです。ヨーロッパの大国が即、世界の大国だからです。

大国とは「その国の意見を聞かねば話がまとまらない国」のこと、すなわち「発言力のある国」と定義します。アメリカも日本もまだまだ大国ではありません。

世界の大国はイギリス、ロシア、フランス、オーストリア、プロイセンの5カ国です。

1815年から1864年ぐらいまでの5大国の国力比を数値化してみます。あくまで著者倉山個人の体感としてざっと目安をつけると、英=7、露=4、仏=3、墺=2、普=1、という感じです。

イギリスが断トツで1位。圧倒的な強さです。その強さはロシア、オーストリア、プロイセンが束になってかかってやっとイギリスに物申せるぐらいの強さです。

ロシアがかなり離された2位で、フランスは3位とはいえ超大国とはいえない地位です。

大国最下位のプロイセンに対してオーストリアは2倍、フランスは3倍、ロシアは4倍ぐらいそれぞれに強いのです。少し先取りすると、プロイセンはビスマルクという宰相が出てくる1862年ぐらいまではぶっちぎりの大国最下位に甘んじています。

そうした時代にフランスのタレイランという外交に卓越した手腕を持つ人が、しきりにイギリスに同盟を持ちかけました。

ところが、イギリスの外務大臣デビューしたての若きパーマストンが「我が国に同盟など煩わしいものは要らない」と蹴飛ばす次第です。イギリスがどれだけ強かったかがわかるひとことです。

次のページ
もしヴィクトリア女王が健在だったら >



Voice購入

2021年3月号

Voice 2021年3月号

発売日:2021年02月10日
価格(税込):840円

関連記事

編集部のおすすめ

なぜいま、天皇だけが「エンペラー」なのか

倉山満(憲政史研究家)

「人殺しが日常」だった16世紀ヨーロッパ…権力者は何を奪い合っていたのか?

倉山満(憲政史研究家)

韓国に“常識”が通じなくなった原因

倉山満(憲政史研究家)

2月開催!!ハッピーウーマンオンラインセミナーシリーズ-Dr.クリスティンペイジ

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

  • Twitterでシェアする
2月開催!!ハッピーウーマンオンラインセミナーシリーズ-Dr.クリスティンペイジ

21世紀のよりよい社会を実現するための提言誌として、
つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合月刊誌です。

×