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岡田斗司夫「アイドル界に"身分制度"が誕生しつつある」

2018年12月21日 公開

岡田斗司夫(社会評論家)

アイドル文化は10年後どうなるのか?
(写真はイメージです)

<<2028年はどんな世界になるのか? デジタル化と人工知能の成長が加速すると、私たち一般人に残された仕事はもはや「ない」と著者はいう。アイドルから経済、政治まで、おたく文化に通じた社会評論家が日本の未来を大胆予測する。>>

※本書は岡田斗司夫著『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』(PHP新書)より一部・抜粋編集したものです
 

アイドル文化はもう40年の歴史がある

ユーチューバーに関して、僕は「日本人ユーチューバーの市場も、これから2、3年でアイドルや芸人に荒らされることになる」と予測しました。
では、アイドル自体はこれからどうなっていくのか?

日本的なアイドル文化が確立したのは、1970年代。映画で圧倒的な存在感を示していた「スター」ではなく、未成熟だとか身近さといったイメージをウリにした「アイドル」が登場してきました。

単独型アイドルは南沙織あたり、少人数グループ型アイドルはキャンディーズあたりが始まりでしょう。

おニャン子クラブの登場以降、アイドルは大規模化が進み、モーニング娘。、そしてAKB48と、巨大なファミリーを構成するようになっていきました。

今の芸能界だと、アイドルと芸人以外の芸能人は活躍の場がほとんどありません。その上、『ラブライブ!』や『アイドルマスター』のように、ゲームやアニメから生まれたアイドルグループもすごい存在感を示すようになっています。

アイドル文化が1970年代からだとすれば、もう40年以上。1世代を超えていますから、文化としても大きく変質し、人がアイドルに求めるものも変わってきています。
 

「プロ意識に欠ける」は古い発想

2012年には、AKB48の指原莉乃が恋愛スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれ、HKT48に移籍。2013年には、やはり恋愛スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれた、AKB48の峯岸みなみが丸刈りにして謝罪する動画が公開されました。

また、2017年6月のAKB48選抜総選挙ではNMB48の須藤凜々花が結婚を、さらに後日NMB48からの卒業を発表。2017年末には、女子高生アイドルが、担当マネージャーとの間に第一子を妊娠したことを発表するという事件もありました。

こういう事件が起こると、「幻滅した!」とか「プロ意識に欠ける!」とか、あるいは「アイドルだって若い女の子なんだから、恋愛してもいいじゃないか!」といった意見が出てきます。まあ、女子高生アイドルが妊娠した事件で、一番プロ意識に欠けていたのはマネージャーでしょうけど。

こういう意見はとても20世紀的な発想だと僕は思います。

だって、ユーチューバーにプロ意識なんて必要ないでしょう? 同じように、芸能界のマジョリティとなったアイドルにプロ意識なんて必要ありません。あってもいいけど、それはそのアイドルのウリ、「個性」の1つにすぎないんです。

「あのアイドルは、プロ意識があってカッコイイ!」とファンが付くかもしれないし、「あのアイドルは、ただの素人っぽいところがいい!」というファンだっているでしょう。

これまでは、テレビとか舞台といった大がかりな装置がアイドルという存在を作り上げるために、プロ意識は絶対に必要でしたが、今はその前提条件も崩れ始めています。

テレビや舞台に出ていない地下アイドルは、プロモーションから集金、ファンとの交流まで、ネットを活動拠点にしています。そんな時代に、テレビや舞台を前提としたプロ意識を全員に求めてもしょうがない。

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