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原始に後退する韓国経済

2018年12月25日 公開

櫻井よしこ&洪ヒョン

 「革命が法治の上」にある

【櫻井】 文在寅政権の立場は「日韓併合35年間の性急な近代化は自発的なものではなく、大日本帝国に押しつけられた」というものです。その前提でいえば、押しつけられた近代化を土台にして誕生した大韓民国自体も無効である、という理屈になりませんか。

韓国大統領の指導者としての、あるいは国と民族の未来を考える思索家としての劣化は金泳三氏の時代から始まり、文在寅氏でその極に至ったように思われます。曲がりなりにも近代合理主義の教育を受けた一国の大統領が、「反文明」の政策を真正面から掲げることに、驚きを禁じえません。

おまけに、文在寅大統領の前歴は弁護士です。平均水準以上の知性や理性を求められる職業に就いていた人物が、近代の常識から懸け離れた政策を選択する理由がどうしても理解できないのですが。

【洪】 韓国の一般市民はそこまで愚かではない、と信じます。現に文が大統領になる前から「もしかすると、文在寅は呆けているかもしれない」という人びとは少なくありません。

何も冗談ではなく、文大統領の話す姿や表情を見ていると、正しい判断を下す能力を失っている印象を受けるときがあります。私が「文在寅氏は操り人形」と主張するゆえんです。

文在寅政権の背後にいる「ビッグ・ブラザー(ジョージ・オーウェルの暗黒SF小説『1984年』の陰の独裁者。スターリンがモデルとされる)」の正体を突き止めることが国民の急務である、という専門家すらいます。

【櫻井】 最大の疑問は、文大統領あるいは洪さんのおっしゃるビッグ・ブラザーが「何をめざして韓国の革命を行なっているのか」という点です。

政治家は、良かれ悪しかれ何らかのビジョンや「わが国をあるべき姿にしたい」という理想像に基づいて活動するものです。従北左派勢力が北朝鮮を支援するのは誤ったイデオロギーですが、ビジョンはあるわけです。

ところが文在寅大統領のように、河川を原始の状態に戻して都市を否定し、原子力や石炭火力発電を止めて工場と企業を活動停止に追いやることに、何のビジョンがあるのでしょうか。

韓国を支える底力の経済を潰してしまえば、その先に待つのは革命国家どころか「国家そのものの死」でしょう。

【洪】 文大統領にとっては社会主義への革命が至上課題であり、いわば「革命が法治の上」にある、ということなのです。

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