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クリスマス大暴落は予兆か 大投資家ジム・ロジャーズが予言する「史上最悪の下げ相場」

2018年12月28日 公開

ジム・ロジャーズ(訳:大野和基)

この10年でお金の流れは激変した

いま世界を見渡すと、借金がない国は北朝鮮くらいしかない。借金はどの国でも天井知らずに膨れ上がり、いずれの国も緊縮財政について検討を重ねている。

しかし、実際に緊縮財政を行う国はない。論理がわかっていても、それを実行に移さなければ意味がない。たとえば私は、100メートル走を誰よりも速く走る方法を口で説明することはできるが、実際にそれだけ速く走って世界記録を打ち立てることはできない。

論理についてあれこれ議論するのは誰でもできるが、どんなことでも実行しなければ成功したとは言えないのだ。

どの国も紙幣を刷りまくっていて、まるで紙幣印刷コンテストをやっているかのようだ。金利が上がり、問題が生じてくると、人々は中央銀行に助けを求める。彼らは官僚や学者だから、「わかった、あなた方を助けよう」と言う。そして「助け」として紙幣をありったけ刷る。市場は活気を帯び、助かったと思う。

しかし官僚や学者は、紙幣を刷った後のことなど何も考えてはいないのだ。長期的に見て、紙幣の乱発には効果がないことはわかりきっているのに。

ただ、紙幣の印刷を突然やめるのも、さまざまな経済問題を生じさせることになる。恐らくアメリカからその問題は生じ、経済は最悪な状態になるだろう。借金の規模が1番大きいからだ。アメリカがきっかけで、第2、第3、第4の経済大国が問題を抱えることになる。

FRB、ECBなどの中央銀行は金融緩和の見直し局面に入り、利上げや「出口戦略」を取り始めている。彼らは「ソフトランディングをするから、心配ない」と言うだろう。だが、ソフトランディングを誘導することができたためしはない。

ここ10年でお金の流れはずいぶんと変わった。リーマンショック後、世界中でやたらと紙幣を刷るようになった。日銀は無制限にお金を刷ると宣言したし、イギリス銀行は何がなんでも必要なことはやると言った。アメリカは刷らなければならない分は刷ると言った。結果、史上最悪の下げ相場がいままさに起ころうとしている。
 

歴史が教えてくれる、米上げ相場の終焉

ここ数年で起きた出来事はすべて、もうすぐ甚大な経済問題が起きることを意味している。リーマンショックから約10年が経ったいま、いつ何が起きてもおかしくない。 アメリカの株式市場は、2009年3月に底を打って以降、10年近く上昇を続けている。これは史上2番目の長さだ。歴史を学んでいれば、現在のアメリカの上昇相場がいつか必ず止まるということは、誰にでも予想できる。

アメリカの中央銀行(FRB)の前議長ジャネット・イエレン氏は、「経済問題は2度と起きない」と断言した。もし彼女の言うことを信じるのなら、私の言葉を聞く必要はない。だが、いつか彼女が愚か者に見える時が来るだろう。

次に起こる経済危機は、我々の人生で最悪のものになるだろう。その危機から脱出できる人は、そう多くはない。それほど深刻で破壊的な危機が、いま我々の目の前に迫っているのだ。



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