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「社会保障のための消費増税」のウソ 財務省が日本人を騙す"ロジック"

2019年02月13日 公開

高橋洋一(嘉悦大学教授)

「消費税」より「保険料」のほうが納得感を得られる

日本の場合、国民皆保険制度になっており、国民には社会保険料を支払う義務があります。ですから、保険料は実質的には税金と同じです。しかも、社会保障限定で使われるものですから、究極の目的税です。

対して消費税は本来、目的税ではなく、何にでも使える一般財源です。最近、耳にする「消費税を社会保障目的税化せよ」という議論は、制度のあり方として間違いです。

消費税と社会保険料には大きな違いがあります。消費税は誰がいくら支払ったのかという明細が残っていないのに対して、社会保険料は誰がいくら支払ったかという個人別の明細記録が残っています。じつは、この記録の有無の違いが大きい。

保険料は記録が残るので、給付と負担の関係が明確になります。保険料を多く支払った人は給付が多くなり、保険料をあまり支払っていない人は、給付が少ない。じつにシンプルな仕組みです。

このように給付と負担の関係が明確なほうが、国民もストレスがありません。

「こんなに年金が少ない」という文句に対し、過去の保険料支払いの記録をもとに「年金の給付額は支払った保険料に対応しています。あなたの保険料の支払いはこの額なので、給付はこの額です」とはっきり伝えることができます。

不満がゼロになることはないにせよ、少なくとも「俺の年金が少ないのは政府のせいだ」という類の声はいまより減るでしょう。

ところが消費税を年金財源に使う場合は、消費税の支払い記録が残っていません。

消費税を払っていない人が「俺の年金が少ない」と文句をいってきたとき、「消費税をあまり払っていないので年金が少ないんです」と答えられない。

誰がいくら消費税を払ったかという記録がないと、「ルールでこの額しか出ません」程度のことしかいえません。

その点、社会保険料には①使用目的が明確、②記録が残る、③給付と負担の関係が明確という3つの利点があるのです。



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