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北朝鮮との開戦を思いとどまらせた、徴兵制の“抑制効果”

2019年03月08日 公開

三浦瑠麗(国際政治学者)

三浦瑠麗写真:吉田和本

徴兵制というと、好戦的で時代遅れなイメージがもたれがちである。しかし国際政治学者の三浦瑠麗氏は、韓国が李明博政権下で戦争を思いとどまることができた背景には、同国が採用する徴兵制の“抑制効果”があったという。戦争を「我が事」と考える重要性を説く。

※本稿は『Voice』4月号、三浦瑠麗氏の「戦争と平和のコストを認識しているか」を一部抜粋、編集したものです。

 

韓国の世論を変えた南北融和

ガラパゴス化した日本に比して、韓国は最前線で冷戦を戦ってきた身として、それ相応の危機感はもっているようです。とりわけ、左派の進歩派政権であっても米韓同盟を重視するという姿勢は揺らがないものでした。

イラク戦争に派兵したのは盧武鉉大統領ですし、強硬な通商政策を進めるトランプ政権の誕生を受け、韓国の文在寅政権は各国に先駆けて早々に米韓FTA(自由貿易協定)の再交渉を終わらせたことにも明らかです。

米韓同盟に対する依存は変わらないものの、ここへきて徐々に変わりつつあるのが、先ほども述べた韓国における徴兵制の問題です。

2018年7月の「国防改革2.0」で、国防軍の定員は大幅に減少する見通しとなりました。

もともと、韓国の兵役は陸軍と海兵隊が21カ月、海軍は23カ月、空軍は24カ月でした。それを、陸海軍と海兵隊は3カ月短縮し、空軍は2カ月短縮することになりました。

徴兵年限の短縮は積年の課題でした。しかし、大統領候補が選挙の際に民意に圧されて短縮を宣言しても、実際には実現してこなかったのです。

そこへ転機となったのが、2018年4月の南北首脳会談での融和でした。世論の影響を考えると、だんだん兵役期間が短くなっていくことは必至だと思われます。

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