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「AI時代」に必要となる、感度のよいしぶとさ

2019年03月18日 公開
2022年12月28日 更新

幸田真音(作家),藤本浩司(テンソル・コンサルティング株式会社代表取締役社長)

情報過多の現代社会で求められる素養

藤本浩司

【藤本】 研究の価値をきちんと評価してくれる社会の実現によって、成果を出すための土壌は自ずとできてくると思います。もちろん、成果を出すのは簡単ではありません。

研究者は、『人工知能』の元となった本誌連載時のタイトルのように、「しぶといやつ」である必要があるでしょう。

ただ諦めの悪いしぶとさではなくて、本質を見抜くために着実に努力を重ね、なおかつ失敗しても食い下がるくらいの気概は、若い人たちにぜひもってもらいたい。

【幸田】 しぶとさは大事ですね。同時に、感度の良さも必須だと思います。

「最近の若者は」と嘆くつもりはありませんが、情報が溢れる現代社会では、貴重な機会を得ても「そんなものか」と納得して終わってしまうことが多い気がします。

情報を安易に受け入れて終わりではなく、それは本当に正しいのか、次に自分は何をすべきかと、しぶとくも感度よく行動してほしいですね。

【藤本】 拙著『AIにできること、できないこと』(日本評論社)でも詳しく触れていますが、AIにはできない「動機」や「目標設計」の力が、これからの時代には重要ということですね。

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