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リーダーに必要なのは「怒り」を管理するスキルだ

2019年03月28日 公開

安藤俊介(日本アンガーマネジメント協会代表理事)

安藤俊介

情報過多の今般、つねに何かに追われてイライラしてしまう人も少なくないのではないだろうか。そのなかで注目されているのが、怒りをコントロールするアンガーマネジメントだ。日本アンガーマネジメント協会代表理事を務める安藤俊介氏が、現代のリーダーに求められる、感情を整える極意を説く。

※本稿は『Voice』4月号、安藤俊介氏の「「伝染する怒り」への対処法」を一部抜粋、編集したものです。

 

「怒り」は伝染する

私は10年ほど前にアメリカから帰国して、以来、アンガーマネジメントの普及に努めています。アメリカはアンガーマネジメントの先進国で、理論を構築した国でもあります。

それは建国から多様な民族を受け入れてきた背景もあるでしょう。社会の軋轢を少しでも減らすために感情のコントロールは必須でした。

これは感覚値ではありますが、アメリカに比べて日本のアンガーマネジメントは25年くらい遅れています。アメリカが2019年なら、日本はまだ1980年代後半といったところです。

しかし残念ながら、いまではアンガーマネジメントが生まれたアメリカでも、感情を抑えられずに多くの問題が生じています。

親トランプ派と反トランプ派のあいだには怒りを通り越して憎悪の感情すら生まれ、両者は激しく対立しています。また、アメリカだけでなくフランスも暴動に揺れています。

一方の日本では、政治家や首長の発言、あるいは教師の振る舞いが物議を醸して連日報道されています。先日も町田市(東京都)で、生徒から暴言を浴びせられた教師が暴力を振るう事件がありました。

もちろん、怒りをもつことは何かを変えるエネルギーになることでもあり、それ自体は必要以上に悲観すべきものではありません。しかし、いたずらに怒りを表現することは世の中を狂わせるといっても過言ではない。

怒りには「伝染する」という性質があります。職場で上司に怒られた人間が、帰宅して家族に当たり散らすケースなどは好例です。

当たられた家族もこんどは友人に怒りをぶつけるかもしれないし、そもそも上司もその前に役員に詰られていたかもしれない。

このように、怒りとは人から人へと伝染し、また会社から自宅に持ち帰ることができてしまうという意味で「ポータブル」ともいえるのです。

ましてや、いまやSNSがこれだけ発達している時代です。誰かが怒りの感情から呟いたひと言が、思わぬかたちで拡散して、世の中を変えることだって大いにありうる。

怒りが伝染する以上、トランプ大統領のような影響力のある人物はもちろんのこと、あなたの「呟き」が何かの導火線になる可能性も否定できないのです。

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