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大阪W選でわかった「実行できるリーダー」の条件

2019年04月11日 公開

橋下徹

大阪都構想住民投票、実行までの道のり

僕が2010年年頭に大阪都構想を打ち出してからは、茨の道の連続でした。そこから2015年5月の住民投票に至るまでの約5年半、振り返ってみると、いったい何段の階段を上って来たのか分かりません。

2010年から、「大阪都構想なんて絶対に不可能だ」とずっと言われ続けてきました。僕が階段を上り、壁を突破するたびに、「もうここで終わり、次はない」なんて言うコメンテーターもいました。「大阪都構想には法律の改正が必要だが、国会では大阪都構想なんて歯牙にもかけてない」と言い放ったのです。

僕は毎回、目の前の階段を上ることに全力を尽くしました。もっと上のほうの階段で万策尽きるかもしれない。しかし目の前の階段を上らないことにはゴールには絶対にたどり着けない。

散々批判を受けた僕の2014年3月の大阪市長出直し選挙。相手陣営は対立候補を出さずに、投票率は23%程度。税金の無駄だ、民意を得ていないなどと厳しく批判を受けました。

しかしこの出直し市長選挙の公約に掲げた「法定協議会委員の入れ替え」という強硬策を、選挙で勝利したことをもって断行し、その後もいくつも壁を乗り越え、階段を上りながら、なんとか大阪都構想の設計図の完成にまで持ちこみました。

次は大阪府議会・大阪市議会での議決という階段を上らなければなりません。しかし、大阪維新の会は両議会において過半数議席を有していませんでした。

ここで万策尽きたと思いきや、突如衆議院解散総選挙となり、それを最大限活用して公明党と折衝し(公明党候補者の選挙区には維新の会は候補者を立てないという取引)、最終的には府議会・市議会において公明党の協力をとりつけ、過半数の議決を得て、住民投票までたどり着いたのです。

 

道を拓くには行動しかない

当時、大阪府議会・大阪市議会において、大阪維新の会は過半数の議席を有していなかったことから、「どうせ最後は議会が絶対に否決するんだから、大阪都構想を進めてもすべては無駄になる。やらないほうがいい」と散々言われました。先を見越した諦めの判断ですね。

確かにそういう判断もあるでしょう。出直し市長選挙も、その後の法定協議会による大阪都構想の設計図の作成プロセスも、膨大なエネルギーが必要です。どうせ最後に議会が否決するのなら、そんな無駄なことは止めようという空気が組織内にあったのも確かです。

しかし僕は、最後の府議会・市議会の議決がどうなるかは別として、まずは目の前の階段をとにかく上ることに集中し、政治家としての全エネルギーを注ぎ続けました。

出直し市長選挙、法定協議会委員の入れ替え、とにかくあの手、この手を尽くしながら大阪都構想の設計図を完成させたのです。

そうすると最後には衆議院解散総選挙の風が吹いて、住民投票までたどり着きました。あそこで議会の議決はどうせ得られないだろうと諦めていたら、衆議院が解散されたとしても、住民投票まではたどり着けていなかったのです。

道を拓くには行動しかありません。目の前の階段を上り続けるしかないのです。リーダーがメンバーを率いるには、口先人間になってはダメです。

リーダーは、目標の実現に向けて一心不乱にチャレンジする姿を示し、実践する必要があるのです。それが組織のメンバー(部下)の共感を呼び、メンバーがついて来てくれるようになるのです。



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