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「野党再生」のヒントは維新の会にある

2019年06月24日 公開

松井孝治(慶應義塾大学総合政策学部教授)

松井孝治写真:吉田和本

市民の生活に根ざした政策を打ち出している維新の会に野党再生のヒントがある――。そう語るのは、慶應義塾大学総合政策学部教授で元内閣官房副長官の松井孝治氏である。どういうことなのか。真の「野党再生論」を提言。

※本稿は月刊誌『Voice』(2019年7月号)松井孝治氏の「真の野党再生論」より一部抜粋・編集したものです。

 

進まない国会改革としらける若者

現在の永田町で、筆者がひそかに注目しているのが、最近、支持率が関西のみならず、全国的にじわじわと上昇傾向にある維新の会だ。

地下鉄や水道、教育など、地方の生活に密着した課題に着目して改革のメスを振るう取り組みは大阪を中心にじわりと注目されつつある。

抽象論としての地方分権でなく、具体論としての分権やまちづくりの革新的事例を支える統治機構改革は、中央集権型政治への対立軸となりうる。

かつて道州制や小さな政府を打ち出したみんなの党に期待した有権者は、その後、行き場を失った。希望の党が一縷の望みになるかもと思われたが、2017年衆院選の敗北でしぼんでしまった。

立憲民主党に期待したややリベラルな層も、同党が左に寄りすぎて違和感を覚えている。

地域の自発性を重視する統治機構改革とややリベラルな包摂型志向が結び付けば、社会的な包摂を官庁依存ではないかたちで実現していく、新しい社会の在り方を打ち出すことができるかもしれない。

他方、こうした対立軸を国民に明らかにするはずの国会は、この20年間、ほとんど進化を見せていない。

むしろ、いまの国会は、党首討論もほとんど行なわれず、院として少数者調査権を保障した予備的調査もきわめて不活性であるなど、20年前の改革が完全に退化している印象すらある。

私が接する大学生などの若い世代の意見はまるで反映されず、国会は眠ってしまっているような気がする。若い世代をしらけさせてしまっている責任の半分は野党にある。

20世紀の終わりにイギリスでトニー・ブレア政権が誕生したときのような動きが望まれる。ブレアは古い労働党ではなく、改革の党としての労働党をつくった。

日本でも与野党の若い世代の人たちが、新たなブレア改革のような試みに挑戦して、令和の新時代にふさわしい、向こう30年を見据えた政策討議を行なってほしいものである。

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