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韓国と対峙するうえで想定すべき“国際世論戦”

2019年08月06日 公開

渡瀬裕哉(パシフィック・アライアンス総研所長

国際的な世論戦を想定せよ

また、ロシアや中国は安倍政権が両国に対して強い態度に出てこない姿勢を笑っているに違いない。ロシアは北方領土を奪って平気な顔をしているどころか、領土交渉も日本側から果実を引っ張り出した上で意図的に内容を後退させている。

中国は現地邦人を不当に拘束した上、急速な軍拡を実施しながら日本に対する示威行為を繰り返している。

筆者には、傍若無人な振る舞いを繰り返す国々に対して生温いメッセージを送りながら、韓国という弱国にしか強気に出られない政権と、中露両国がまともに外交交渉を行なうとは思えない。

しかも、同見直し措置の意図すら純粋な安全保障目的ではなく、参議院議員選挙目的のように見えかねない現状に鑑み、両国の独裁者たちから日本が鼻で笑われても仕方ないだろう。

日本国民は単発の行為としては「よくやった」と思える外交措置であったとしても、それに伴うメッセージや実行のタイミングなどの全体像を踏まえた上で、二国間交渉ではなく多国間レベルの視座をもって日本政府はどのように振る舞うべきか、ということを意識するべきだ。

二国間交渉において交渉相手をやり込めることは当然のこととして、交渉行為自体を第三国との交渉に有利な影響を与えるように設計し、政権担当者がそれらの設定を踏まえた発言を行なえるよう事前に準備しておくことが重要だ。

少なくとも外交政策を展開し始める前に、必ず国際的な世論戦の形を想定してからスタートするべきである。

筆者は今回のように参議院議員選挙直前という「事前に周到に準備された発言」以外の不測の発言が飛び出しやすい環境で、韓国半導体産業に対する締め上げに直結する重要なカードを切るという安倍政権の判断には疑問をもたざるをえなかった。

WTOでの訴訟の結果が出るまで数年かかる見通しであるが、結果が出るころには安倍政権は次の政権に道を譲っていることになるだろう。

今後、韓国のようなきわめて粘着質の国と対峙するにあたっては、将来的に責任をもつことができる政権が万全な体制を築いて戦いを挑むようになることに期待したい。



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