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安倍政権が消費増税を断行した“本当の理由”

2019年10月17日 公開

荻原博子(経済ジャーナリスト)

 

増税はやはり愚策

本来、消費税は上げるべきではなった。もはや詮無きことですが、私はいまでもそう考えています。現在、多くの世帯が家計に苦しんでいることは、あらためていうまでもありません。

「景気は緩やかに回復している」とは、2012年末にアベノミクスを始めて以降、黒田日銀総裁や菅官房長官が発する「決まり文句」ですが、そう実感している家庭がどれだけあるでしょうか。

一般世帯の家計は厳しくなるばかりで、多くの人が消費を控えざるを得ない現状です。にもかかわらず消費増税を行なうのは愚策としかいいようがない。

こう話すと、よく「国の借金はどうするのか」と返されます。しかし、いくら国の借金が1000兆円以上あろうとも、年間約500兆円(実質GDP)を稼ぐ日本の屋台骨はそれほど簡単に揺るぎません。

いまの日本の財政状況は、わかりやすくいえば業績は下がっているものの、底力のある「老舗商店」です。日本はここ数年で成り上がった新興国ではありません。

国際的な信頼もある。対外純資産残高は300兆円を超えており(2018年末時点)、世界最大の純債権国の地位を、28年のあいだキープしているのです。

また、見落とされがちなのが、約1000兆円の国債のうち、日本銀行が約450兆円を保有している事実です。もちろん問題はありますが、いわば親会社が子会社に借りているようなものです。

そうした日銀保有の国債に限り、60年の償還期限を100年に延長したり、借り換えを続けられるような仕組みをつくったりと、いくらでも手の打ちようはあるのです。

そうした問題を論じることもなく、「消費増税反対派は国の未来を考えていない」などと語るのは、まさしく政府に巧みに誘導されているとしか言いようがありません。



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