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消費税が上がっても「老後の安心」が得られる暮らし方



2019年10月22日 公開

荻原博子(経済ジャーナリスト)

 

費用対効果を考える訓練を

シニアの方にお伝えしたいのは、「自分で選ぶ」訓練を始めましょう、ということです。これからは、映画館やお芝居の劇場も、AI(人工知能)が各席一つひとつに値段をつける時代になります。

そのなかから、自分の好みと値段の折り合いをつけて席を選ばなくてはいけません。「S席」「A席」「B席」というわかりやすい選択肢しかなかったころとは違うのです。

これからは費用対効果を自分でチョイスする目がないと、損をする社会になります。若い世代はこの訓練を自然と積んできました。百貨店で服を選ぶときに、シニアの方ならば「これがお似合いですよ」といわれて、押し切られて服を買った経験があるでしょう。

しかし若い世代は、すぐにスマートフォンを取り出し「ほかのお店でもっと安く買えないかな」と調べて判断する。生まれたときからインターネットがあり、ネット通販なども盛んで定価のない「一物多価」の時代が当たり前だからこそ、一つひとつの支出をシビアな目でみるのです。

生命保険を見直すのも有効です。一家の大黒柱が亡くなったときに抱えるリスクは、奥さんやお子さんの年齢によって異なります。それなのに、皆が同じ保険に入り続けているのは不自然です。

しかも、自分が死ななければ、支払った保険料は誰かに回される。よく検討して、リスクに見合った保険になっているか、見直したほうがいい。

死亡保障についていえば、いまでは遺族年金もありますし、退職金も残っているかもしれない。家のローンを支払い終わっていれば、(子どもがまだ社会人になっていなければ必要でしょうが)削ってもいいでしょう。

いまは「死ぬリスク」よりも「長生きするリスク」のほうが高い時代です。保険に必要以上にお金を使うくらいならば、健康に留意したほうが、何倍も幸せな暮らしを送れるのではないでしょうか。

また医療保険にしても、いまでは高額療養費制度があるので、たとえば70歳以上で年収370万円以下の一般的な夫婦の場合、合わせて6万円弱で月間の医療費を賄える。

日本の医療システムは手厚いのです。そういう前提をふまえたうえで、果たして高額な医療保険が必要かどうか、消費増税で家計を見直すこの機会に、見直してみてはいかがでしょうか。

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