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両目の見えない女性に“即プロポーズ”…8年待ち続けた男性の「本心」

2019年11月09日 公開

山田清機(ノンフィクション作家)/人物撮影:尾関裕士

道下美里

2020東京オリンピックのマラソン競技は、IOCの決定を受け、札幌で開催されることになった。しかし、パラリンピックの"パラマラソン"は予定通り東京で行なわれる。メダルが期待できる女性ランナーが道下美里選手だ。

道下選手は、中学2年生のころ、角膜の病気で右目の視力を失い、25歳のときに左目もかすかにしか見えない状態に。その後、30代から本格的にマラソンを始め、2014年、当時の世界新記録に相当する記録をマークするなど、日本を代表するトップランナーに成長。

16年、リオデジャネイロパラリンピックに出場し、視覚障がい者女子マラソンで銀メダルに輝いた。本稿では、道下選手の知られざるプライベートに掠るエピソードを紹介する。

※本稿は山田清機著『パラアスリート』(PHP研究所刊)の内容を編集したものです

「お早うございます」

声をかけると、「ニカッ」としか形容しようのない完璧な笑顔を見せた。日に焼けた顔に純白の歯が映える。三人は、準備体操もそこそこに大濠公園(福岡県福岡市)を周回するコースを走り始めた。

大濠公園の池は楕円形をしており、その長辺に柳島、松島、菖蒲島という三つの島が配置され、三つの島は四本の橋で結ばれている。

この、日本屈指と言われる美しい水景をバックに、3人はゆっくりとしたペースでジョギングを続ける。計ってみると1周約15分。1キロ当たり約7分半だから、フルマラソンを一キロ4分15秒のペースで走り抜く道下にしてみれば、相当なスローペースだ。

道下が黄色いゼッケンをつけた女性と赤いガイドロープでつながった状態で、笑顔を浮かべながら楽しそうに走っていく。近寄ってみると、わずかに後方を走る長身の男性と他愛もないおしゃべりに興じていた。

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