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中国・韓国の“嫌がらせ”から日本を守る「唯一の武器」

2019年11月15日 公開

倉山満(憲政史研究家)

 

日本人が「ウェストファリア」を学ぶべき理由

では、なぜ日本人が「ウェストファリア体制」を学ばなければならないか。理由は、二つあります。

一つは、「ウェストファリア体制」とは日本人が野蛮な世界で生き残るのに必要な武器だからです。

東アジアを眺めると、丸腰の日本は核武装した周辺諸国に囲まれています。習近平の中国、ウラジーミル・プーチンのロシア、金正恩(キムジョンウン)の北朝鮮。さらに、核を持っていない文在寅(ムンジェイン)の韓国まで、事あるごとに日本に嫌がらせをしてきます。

日本はただただ、ドナルド・トランプのアメリカにすがり、周辺諸国のご機嫌を取って生き延びているだけです。

世の中の掟(ルール)を知っていること自体が、武器です。

それは国際社会においても同じで、知力は武力や財力と同じように、武器なのです。如何なる超大国も守らねばならない掟である「ウェストファリア体制」こそ、日本人が自分たちの身を守るだけでなく、全人類に光を与える武器なのです。

この武器を使いこなしたとき、日本は全人類の指導者として世界中から尊敬される国になるでしょう。

 

実は日本人にとって当たり前のことだった

では、なぜ「ウェストファリア体制」が、日本を世界の指導者に押し上げる武器になるのか。これが、我々が「ウェストファリア体制」を学ばねばならない第二の理由です。

「ウェストファリア体制」は、日本語です。なぜ日本語なのかは、『ウエストファリア体制』で縷々(るる)説明していきます。

ヨーロッパの現地読みでは、ヴェストファーレンの地で生まれた掟(ルール)は、日本人の手によって全人類が守るべき文明の法となりました。この歴史を日本人が知らないことこそ、罪なのです。

私は、ある意味で自虐史観の持ち主です。世間で言われる自虐史観とは、「昔の日本は外国に対し侵略や虐殺など悪いことばかりし続けた国だ」との歴史観のことです。この意味での自虐史観は誤りです。

私はまったく違う意味での自虐史観を抱いています。すなわち、「大日本帝国が滅んでしまったために、世界が野蛮に逆行した。日本人はこの罪を自覚し、反省し、そして文明に戻すために行動しなければならない」との意味での自虐史観です。

東アジアの野蛮な国に取り囲まれながら、日本人は無自覚が過ぎます。人類が世界大戦を経て、どれほど文明を失い、ヨーロッパ中世のような野蛮な世界に逆戻りしたかの歴史に。そして日本も含めた多くの国が巻き込まれ、大迷惑している現実に。

元来、日本人は文明的な民族です。私は「文明的」を「ノンキ」と言い換えます。論より証拠を挙げます。

まず、三つのことを知ってください。

一 心の中では何を考えてもよい
二 人を殺してはならない
三 お互いの存在を認めあおう

日本人ならば、何を当たり前のことを言っているのだと思うでしょう。しかし、このような価値観が人類の多数派になるのは、たかだか数百年の話なのです。

そうした歴史の事実に無知で無自覚だから、日本人はノンキなのです。もっとも、日本人はノンキでいられた幸せな民族ということなのですが。

この三要素こそ、人類に"文明"をもたらした「ウェストファリア体制」の中核です。この価値観を持つ国家が「ウェストファリア国家」です。

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