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韓国に“常識”が通じなくなった原因

2019年11月21日 公開
2022年12月15日 更新

倉山満(憲政史研究家)

 

朴槿恵大統領は最後の良識派だった?

次は中国です。中国人は自分がやり返されなければ、相手を殺していいと考える国です。中国は常に派閥抗争で、絶対的独裁者というのはいません。かの毛沢東ですら、バランスの上に立っていただけでした。

そして、ロシア。ロシアというのは、中国と違って独裁者が出やすいところです。プーチンに「人を殺してはいけません」といえば、中国の習近平とはまた違った意味で「なんで?」と聞き返すでしょう。

習近平もプーチンも、プロパガンダとしては「人を殺してはダメです」とは言うでしょう。でも、本音は全然違っています。一応、建前としては通じるけど、実態はまるで違います。

二人に共通しているのは、自分が殺されなければ、やっていいと考えるところです。むしろ、すでにバンバンやっています。

アヤシいのは韓国です。

朴槿惠(パククネ)前大統領は韓国最後の良識派でした。ほかの大統領候補全員が親北派だったとき、一人だけ北朝鮮に呑み込まれるのはイヤだと、中国への売国奴になろうとしたところ、親日派だとして叩かれたわけです。

日本のネトウヨは朴槿惠が反日だと叩いていましたが、朴槿惠は韓国内では最大限の親日だったのです。

韓国では反日は大前提です。問題は親北がイヤだから親中をやろうとした朴槿惠を、日本人も一緒になって叩いたことです。

放っておけばいいのに、安倍首相が慰安婦問題で日韓合意をやってしまったのも、朴槿惠が余計に叩かれる原因になりました。その結果、朴槿惠が潰れて、文在寅という人が登場してしまったのです

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