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ヒラリーの創作したロシアゲート

渡辺惣樹(日米近現代史研究家)

トランプ嫌いの調査官

まずターゲットとされたのはトランプの外交アドバイザーであるカーター・ペイジだった。ペイジこそがロシアと接触しているエージェントだという見立てで盗聴が始まった。

コメイ長官の1月6日のトランプへのブリーフィングでは、このことは伏せられていた。要するに、秘密裏にトランプおよびその周辺の人物の監視盗聴が始まったのである。

2017年1月10日のバズフィードによるスチール文書全文の公開で、民主党は色めき立った。5月17日、司法省は特別顧問官を任命し、ロシアによる大統領選挙介入疑惑の捜査が始まった。特別顧問官には元FBI長官ロバート・ミュラーが就いた。

結論を先に書いてしまえば、調査はおよそ2年間にわたって続き、2019年3月22日、ロシアとトランプの共同謀議はなかったと結論付けた。

ミュラー調査委員会はトランプ嫌いの捜査官に調査を委ねた。ミュラーの右腕になったアンドリュー・ワイズマンは、司法省の詐欺罪担当セクションにいた人物だが、彼は徹頭徹尾親民主党だった。

ニューヨークタイムズ紙がミュラーの「嚙ませ犬」と評するほどにトランプ陣営の人物にプレッシャーをかけ、トランプに不利な証言を引き出そうとした。

彼には、オバマおよびクリントンへの計6600ドルの献金履歴があることからわかるように、民主党が好きだった。11月8日の選挙日の夜には、ヒラリー大統領誕生を祝う(はずの)パーティに参加していた(*3)。

民主党は、ミュラー調査委員会が「トランプとロシアが共謀して2016年選挙に介入した」と結論付けることを2年間にわたって期待し続けた。

必ず弾劾すると息巻き、メインストリームメディアも唱和した。だからこそ、トランプ新政権とはいっさいの妥協を拒み、何もかも反対に回ったのだった。

 

*1: A De_nitive timeline of Strzok’s texts and the Clinton-Trump-Russia investigations

*2: Gregg Re Catherine Herridge, FBI kept using Steele dossier for FISA applications despite documenting ex-spy's bias, documents show, Fox News, August 9, 2019

*3: Alex Pfei_er, Mueller’s ‘Pit Bull’ Attended Clinton’s Election Night Party, Daily Caller, December 8, 2017

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