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中国の"近未来型ホテル"で、AIスピーカーに「魚釣島はどこの国?」と聞いた結果



2020年02月27日 公開

西谷格(ノンフィクションライター)

 

豹変したAIスピーカー

客室に物を運ぶロボット(西谷格)

館内の廊下を歩いていると、高さ1メートルほどの銀色の箱のような物体が、のろのろと移動しているのを見かけた。清掃ロボットのようにも見えるが、それにしては小さすぎる。もしやと思ってスタッフを探して聞くと「客室にものを運ぶロボットです」とのこと。「天猫精霊福袋」という呼び名らしい。

さっそく試そうと思い、部屋に戻って、「Tモールジニー、ミネラルウォーターを持ってきて」と頼むと、「はい、スタッフがお持ちします」との返答。10分ほど待つと、スマホ内のホテル専用アプリが起動し、アラームが鳴った。

ドアを開けると、運びロボットが鎮座しており、スマホに表示されたパスワードを液晶パネルに入力すると、ウィーンという音とともにゆっくりとフタが開いた。

箱のなかにはミネラルウォーターのボトルが無造作に入っており、取り出してフタを閉めると、ロボットは無言でエレベーターのほうへと進んで行った。自動販売機からモノを取り出したような感覚だ。人間らしさは微塵も感じない。

Tモールジニーとの会話が面白かったので、いろいろ話しかけてみた。

「チェックアウトは何時?」
「正午12時です」

これぐらいは当然答えられるとして、

「ドライヤーはどこにあるの?」
「洗面所の引き出しのなかにあります」

とまで答えられたのは驚いた。事前にかなりのデータがインプットされているようだ。宿泊客がフロントに聞く質問など、大半はパターン化されているのだろう。そう考えれば、じつに合理的だ。

あえて答えにくそうな質問もしてみた。

「釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)はどこの国にありますか?」

すると、これまでは「ご主人さまぁ! こんにちは!」という明るいアニメ声の女の子のような声だったTモールジニーの声質が突如変化し、野太い声で力強く、

「釣魚島は古来より中国の領土です!」

と言い切った。なんか怖い。続けて、「世界で一番強い国は?」と聞くと、

「中国は世界一人口が多い国です」

と断言。心なしか語気も強めだ。ただし、同じ質問をもう一度すると、

「それはもちろんアメリカですよ」

とも答えたので迷いがあるようだった。質問と答えが噛み合わないケースも散見されたが、予想以上の返答が得られた。

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