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「森を壊す中国文明」がコロナウイルスを拡散させた

2020年06月11日 公開
2023年01月11日 更新

関裕二(歴史作家),石平(評論家/拓殖大学客員教授)

 

森の破壊がコロナウイルスを蔓延させた

【石】先ほど話に出た天皇の役割の一つに、祈祷がありますね。奇しくも現在、中国発のコロナウイルスが世界を覆っており、王と宗教の関係に再び焦点が当たりつつあります。

中国史上において疫病、飢饉と戦乱はつねに付き物であり、王朝の崩壊前には必ず大飢饉と疫病の流行が起こります。三国時代、乱世の幕開けとなった後漢王朝の桓帝・霊帝の治世下でも、大規模な疫病が17回も起きたという記録が残っている。

疫病の氾濫は、いかがわしい宗教団体の出現と併せて黄巾の乱の発生を誘発する要因の一つとなり、後漢王朝崩壊の遠因となりました。日本の場合はどうでしょうか。

【関】疫病や天変地異を鎮めることこそ、天皇の第一の役割です。ヤマト建国の直後、第十代崇神天皇の御世に、疫病が発生して人口が半減したことがあります。

すると天皇の夢枕に大物主神が現れ、三輪山に祀られた大物主神の意志(祟り)であることを宣告する。崇神天皇が神のお告げどおり大物主神の子・大田田根子を呼んで祀らせたところ、ようやく疫病が鎮まった、という話が『日本書紀』に出てきます。

【石】ところが中国の「王」である習近平は、疫病を鎮めるどころか逆にウイルス発生の情報を隠蔽し、全世界に疫病を広めてしまった。

【関】そもそもなぜ、中国から新しいウイルスが発生したのか。ウイルスは本来、森林とそのなかに住む動物と共存して生きています。したがって自然を破壊すれば、生息環境を失った動物と一緒にウイルスが都市に出てくるのは理の当然なのです。

【石】なるほど、森を破壊してきた中国文明が逆にウイルス拡散の温床となっているのですね。昔にSARSがあれば今はコロナウイルスがあり、今後もどんなウイルスが大陸から生まれてくるかはわかりません。

地球の未来を考えたとき、自然を守り、他者と共存して争いを起こさない日本の縄文文明こそ世界に示すべきモデルであり、率先して広めるべきではないでしょうか。

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