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「慎重な者だけが生き残れる」 ゾンビ映画がコロナ禍に示唆するメッセージ

2020年07月15日 公開
2020年07月15日 更新

谷口功一(東京都立大学法学部教授)

「人類の夏休み」のあいだに備えを

最後に、ゾンビ好きにとっての普遍的な愉しみのひとつを紹介して終わりにしたい。それは、万が一ゾンビが蔓延した場合、どうやってそれを防いで生活を送るかという「対ゾンビ防御住宅の構想」を練ることである。

私自身、コロナ禍が始まるまでの十数年間、毎晩就寝するまでのひととき、寝床で瞑目して考えていることは、ただこれだけである。

実際、ゾンビ対策ばっちりの住宅(Zombie-proof House)の設計コンテストさえ存在しているわけで、ゾンビ好きというのは、まったく侮りがたいものだ。

コロナ下での自主軟禁生活もまた、これに似ており、強力な第二波が到来するかもしれないと言われている、恐らく晩秋までの短い「人類の夏休み」のあいだに、あえて楽しみながら十分な備えをしておきたいものである。

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