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劇場型犯罪を追う新聞記者を演じて―映画『罪の声』主演・小栗旬インタビュー



2020年10月14日 公開

小栗旬(俳優)

小栗旬

映画『罪の声』(監督:土井裕泰、配給:東宝)が今年10月30日(金)より公開される。物語の始まりは1984年の日本。当時、食品会社に対する脅迫事件が相次ぎ、列島を震撼させていた。

警察やマスコミを挑発し続けた犯人グループがついに囚われることはなく、事件は未解決のまま闇に葬られた。35年の時を経て、新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は事件の真相を追う一方、京都でテーラー(紳士服の仕立て屋)を営む曽根俊也(星野源)は、犯人グループが使用した脅迫テープに自分の声が使われていたことを知る。二人が共に追求した先にある衝撃の真実とは――。

本作で主人公の阿久津を演じた小栗旬さんに、自身の役どころや撮影秘話について聞いた。

※本稿は『Voice』2020年11月号より一部抜粋・編集したものです。

聞き手:Voice編集部(中西史也) 
写真:吉田和本
スタイリスト:臼井 崇(THYMON Inc.)
ヘアメイク:渋谷謙太郎(SUNVALLEY)

 

未解決事件の背後で零れ落ちた「声」

――本作『罪の声』の原作は、2016年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位を獲得した塩田武士さんのベストセラー小説です。本誌2017年9月号でも、同作について塩田さんにインタビューを行なっています。オファーが来たときの印象はいかがでしたか。

【小栗】 塩田さんの原作が本当に面白かったので、「ぜひ参加させていただきたいです」と快諾しました。小説はフィクションとはいえ、真実だったのではないかと思わせるほどの臨場感があった。

子どもの生命を脅かす恐ろしい犯罪が行なわれ、片やメディアは劇場型の凶行をセンセーショナルに報じ、警察は「絶対に犯人を捕まえる」と豪語しながらも尻尾をつかみ切れない。

本作のモチーフとなった事件が起きた1980年代の記憶がある方には、とくに関心をもっていただけるでしょう。

――小栗さんは1982年生まれですから、事件の記憶は薄いでしょうか。

【小栗】 記憶はほとんどなくて、じつは原作を読み始める前はピンときませんでした。

でもいまでは、映画も原作に負けないくらいエンターテインメントとして楽しめる作品に仕上がっている、と自信をもって言えます。観る人の記憶や境遇によって視点が異なり、さまざまな角度から感情移入ができるはずです。

また、モチーフとなった事件は未解決で終わっていますから、最終的にどんな真実があったのかは皆さん気になるところだと思います。

そこで今作は、一つの“仮説”をフィクションとして提供している。重大な真実が忘れ去られているなかで、零れ落ちた「声」があるのではないか。そんな意識を感じてもらいたいです。

――脚本は、テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)や『MIU404』(2020年)など数々の話題作を手掛けている野木亜紀子さんですね。

【小栗】 原作は長編で400ページ以上の分量があるのですが、野木さんが見事な脚本にまとめてくださいました。

また原作の世界観を約2時間20分の上映時間に昇華できたのは、土井監督の手腕によるものです。難しいテーマでありながらも、決して押しつけがましくないメッセージがこもった作品に仕上がっています。

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