ホーム » Voice » 社会・教育 » 劇場型犯罪を追う新聞記者を演じて―映画『罪の声』主演・小栗旬インタビュー

劇場型犯罪を追う新聞記者を演じて―映画『罪の声』主演・小栗旬インタビュー



2020年10月14日 公開

小栗旬(俳優)

新聞記者は強心臓をもっていないと務まらない

小栗旬

――新聞記者の阿久津を演じてみていかがでしたか。

【小栗】 彼は、相手の境遇に寄り添った正義感をもっている男です。もともと社会部に所属しながらも、事件を頑なに追う仕事に葛藤を感じた結果、文化部に所属しています。

そこで35年前の劇場型犯罪を追う特別企画班に抜擢されますが、今度もやはり、個人の人生に踏み込むことへの壁にぶち当たる。彼を演じるうえでは、目立ちすぎず「普通の人」であることを意識しました。

阿久津はあくまでも謎を紐解いていく人間であり、本作の真の主役は、事件の脅迫テープに声を使われた子どもたちだと僕は捉えています。

――芝居をしていくなかで、新聞記者という仕事についてはどう思いましたか。

【小栗】 とくに社会部のように事件を扱う記者は、相当な強心臓の持ち主でないと務まらないと感じましたね。真実にたどり着くためには、取材対象者が聞かれたくないこともガンガン聞いていかなければいけません。

阿久津のような優しさをもっていると、自分で質問にブレーキをかけてしまうかもしれない。でも踏み込んで聞き出さなければ、良い記事は書けない。記者の方々はつねにそうしたジレンマのうえに立っているのでしょう。

原作者の塩田さんは小説家になる前は新聞記者をされていたということで、役作りのために話を聞いたら、「記者時代は地獄のような日々でした」と仰っていました(笑)。

取材で神経をすり減らすだけではなく、平時でもつねにネタを探し続けなければなりませんしね。

――もし小栗さんが新聞記者だったら、事件取材の現場で相手に踏み込んで聞き出すことはできますか。

【小栗】 絶対にできないです。日常生活でも、他人の探られたくない部分を聞くことが得意なタイプではないんですよ。僕は普段はこうして取材を受ける側ですが、取材をする記者は本当に大変な仕事だと痛感しました。

次のページ
「自分には関係ない」と開き直るかもしれない >



Voice購入

2020年11月号

Voice 2020年11月号

発売日:2020年10月10日
価格(税込):840円

関連記事

編集部のおすすめ

渡辺謙「日本人は震災を“検証”しているか」

渡辺謙(俳優)

「戦わなければ守れないものがある」 俳優・西島秀俊が『空母いぶき』を通して感じたこと

西島秀俊(俳優)

「孤独」が僕たちをつないだ――外国人労働者と向き合う孤独な蕎麦職人。藤竜也インタビュー

藤竜也(俳優)
日本最大級の癒しイベント出展社募集中

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

  • Twitterでシェアする
日本最大級の癒しイベント出展社募集中

21世紀のよりよい社会を実現するための提言誌として、
つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合月刊誌です。

×