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劇場型犯罪を追う新聞記者を演じて―映画『罪の声』主演・小栗旬インタビュー



2020年10月14日 公開

小栗旬(俳優)

「自分には関係ない」と開き直るかもしれない

小栗旬阿久津英士(小栗旬さん、左)と曽根俊也(星野源さん)。『罪の声』/10月30日(金)より全国東宝系にて公開。©2020 映画「罪の声」製作委員会

――映画の前半では阿久津と並行して、テーラーの俊也が、犯人グループが使用した脅迫テープに自分の声が使われていたことを知り、真実を探っていきます。俊也を演じた星野源さんとの共演はいかがでしたか。

【小栗】 ドラマ『コウノドリ』(第1シリーズ、2015年)で少しだけ同じ現場にいたことはあったのですが、本格的に仕事をするのは今回が初めてでした。

源ちゃんは優しくて繊細で、かわいらしい人です。小動物のような雰囲気を醸しつつ、それでいてものすごく物腰が柔らかい。「この人が普段はあんなにノリノリで歌って踊っているんだ」と思うとギャップを感じますね(笑)。

物語の途中から、阿久津と俊也は事件の真相を追うために行動を共にします。

あるシーンを撮影する際、土井監督からは「阿久津と俊也は同世代だから、同じ時代を生きてきたことでシンパシーを感じる部分があるのではないか」と言われました。

その話を聞いて、だからこそ一緒にいるときはきっと他愛のない会話もしていたんじゃないか、とのイメージが膨らみました。

阿久津は新聞記者として事件を追い、俊也は自らが事件に関わっているかもしれないことを知って真実を探求する。境遇は違うけれど、目的は共通しているわけです。

本作では、阿久津は基本的に取材のときは標準語を使っていますが、俊也と一緒にいると普段の関西弁が出ます。阿久津が徐々に俊也にほだされていく感覚は意識しました。

――俊也は家族と平穏な日々を送ってきたのに、自分が35年前の未解決事件に関わっているかもしれない事実を突然知ることになりますね。

【小栗】 俊也はつねに家族のことを考えて、妻や子どもを巻き込んでしまうかもしれない危機感に苛まれます。決して自分が悪いわけではないのに、責任をすべて背負おうとする。

もしも僕が同じ状況に直面したら、俊也ほど深刻に思いつめることはないでしょうね。「自分には関係ないし」と開き直ってしまうかもしれない(笑)。

――とくに印象に残っているシーンはありますか。

【小栗】 俊也が、自分以外に声を使われた望(のぞみ)ちゃんの親友の幸子(さちこ)さんと会う場面は、いちばんグッときました。

事件が起きたとき、幸子さんは望ちゃんと会う約束をしていたけれど、結局、彼女の姿を見ることは叶わなかった。35年後の現代では、「望はいまちゃんと元気に暮らしていますよね」と俊也に涙ぐみながら訴える。

俊也は大人になるまで事件のことなど考えずに平和に生きてきたけれど、ほかの子どもたちは過酷な人生を生きてきたかもしれない。望ちゃんや幸子さん、そして俊也の気持ちを想像しただけで目頭が熱くなりました。



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