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「韓国経済はまるで養鶏場」LCC危機で露呈したビジネスモデルの限界



2020年10月26日 公開

渡邉哲也(経済評論家)

新型コロナウイルスのワクチンが最も必要なのは、航空会社かもしれない。全日本空輸(ANA)が航空機の大幅削減を決めただけでなく、2021年にも全従業員1万5000人を対象に副業範囲を拡大する方針を固めた。中小規模の航空会社および関係会社も苦しい経営が続く。

だが、日本以上にダメージを受けているのが韓国の航空業界だ。コロナ禍前より危険信号が灯っていたが、コロナ・ショックにより「大破綻」は決定的となった。では、具体的にどこの会社が危ないのか? 

本稿では、人気経済評論家・渡邉哲也氏の新著『世界と日本経済大予測2021』 (PHP研究所)より、航空会社が直面する危機と、韓国の経済事情について解説する。

 

JALが大損害を回避できた理由

政府は中国、タイ、ベトナムなど16の国と地域のあいだでビジネス関係者らの入国を相互に認める協議で、PCR検査の結果が陰性であることの証明書の提出を義務付けるなどの方法を検討。

2020年10月には日本からの渡航者にPCR検査の予約システムが導入された。また、ビジネス関係者らの往来も条件付きで再開する見通しだ。

日本のような島国は、海を越えた人の移動さえ制限すれば、ウイルスの侵入を防ぐことができる。海が「自然の防波堤」の役割を果たすからである。

ところが大陸国家はそれができず、他国から人の流入と一緒にウイルスも入り込み、感染が広がってしまう。そうなると、海外ではウイルスの撲滅はほぼ不可能で、今後別の新型ウイルスが蔓延すれば、さらに困難な事態を招きかねない。

こうした状況で、新型コロナウイルス感染症の拡大で多大な影響を受ける業種はホテルやインバウンドなどの旅行業界だ。

なかでも航空会社が最も厳しいという見方もあるが、それは正しくない。航空会社は貨物も扱っており、旅客が少ない時期は貨物で補っている。乗客の座席にも段ボール箱を並べているシーンをテレビなどで見た人も少なくないだろう。

日本航空(JAL)は2020年8月3日に2020年度第1四半期のグループ連結業績の決算で純損失が937億円と発表した。これは2009年度第1四半期決算の最終損失990億円に次ぐものであるという。

しかし、新型コロナウイルスの影響で世界的に人の動きがなくなるなか、このレベルにとどまったのはある意味立派と言えなくもない。その原動力になったのが貨物の健闘で、貨物郵便収入は対前年比16・9%増の265億円となっている。

 

立ち行かないLCCの運営

航空会社のなかでも大ダメージを受けるのは、大韓航空やブリティッシュ・エアウェイ25ズ(英国航空)のようなナショナル・フラッグキャリア(国を代表する航空会社)ではなく、ローコストキャリア(LCC=格安航空会社)であるのは疑いない。

LCCはオペレーティングリースを基本としており、自社の機体を保有する企業はほとんどない。たいていの場合、リース契約期間中の途中解約は認められていない。そのため、運航できない状態が続けば、リースコストが経営を圧迫するのみになる。

各国ともに運航再開はナショナル・フラッグキャリアが優先され、LCCは後回し。これは空港のオペレーションを考えても仕方がないことだ。飛行機の運航以外に燃料の積載や修理点検、空港内の移動は、各航空会社が各社の責任で行なっているが、LCCはほとんどの場合、大手航空会社に代行してもらっている。それでナショナル・フラッグキャリアの運航再開が後回しになって、誰が納得するかという話である。

そう考えると、2021年最初に破綻が進むのは、LCCなのは間違いない。

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韓国のメイン空港に旅客が来ない >



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