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「中国への武力行使も」バイデン大統領誕生がもたらす“最悪シナリオ”



2020年11月11日 公開

渡邉哲也(経済評論家)

渡邉哲也氏

アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領の当選が確実となった。もっとも、トランプ氏も逆転勝利を狙って選挙結果を法廷で争っていく構えだ。仮にバイデン大統領が誕生した場合、中国との関係はどうなるのか。

人気経済評論家・渡邉哲也氏が、緊迫する米中関係の行方と、アメリカによる武力行使の可能性について解説する。

※本稿は、渡邉哲也氏の新著『世界と日本経済大予測2021』(PHP研究所)の内容を編集したものです。

 

勢いを増す中国の海洋進出

トランプVS.バイデンによるアメリカ大統領選挙は世界中の注目を集めた。このままバイデン大統領が誕生すれば、中国との関係は改善されるのかというと、正直期待はできない。

バイデン大統領が就任しても、あるいはトランプ氏が「逆転勝利」をおさめたとしても、米中の軍事衝突が起こる可能性は十分に考えられる。

舞台、戦場は南シナ海。もし大統領に対する支持率が上昇しないようなら、戦争カードが切られるかもしれない。米中の経済戦争をはじめ、中国の海洋進出、北朝鮮問題、台湾問題などアジアの問題のほとんどにカタを付けられからだ。

2020年8月26日、中国は南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルを4発発射した。「空母キラー」対艦弾道ミサイル「東風21D」と、米領グアムに届く中距離弾道ミサイル「東風26B」とされており、米中対立に向けた牽制であるのは衆目の一致するところである。

中国のミサイル発射は、かつての北朝鮮を彷彿とさせる。仮に北朝鮮がアメリカの空母に向け2発の巡航ミサイルと、グアムまで届く弾道ミサイルを2発撃ったらどうなるか。間違いなく、戦争になる。

北朝鮮とは違い、アメリカまで届く核兵器を大量に保有する中国に対して、アメリカが迂闊に手を出すとは考えにくいが、油断は禁物だ。

実際、アメリカは8月26日に中国の南シナ海開発関連国有企業24社に対してアメリカ原産技術の輸出禁止措置をとることを発表したが、これは警告にすぎない。中国の出方次第では直接的な軍事行動に出ないとも限らず、注意が必要だ。

さらに、2020年7月、アメリカの海軍艦艇の火災が相次いだ。7月12日に強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」、同17日に強襲揚陸艦3番艦「キアサージ」、同20日に空母「ジョン・F・ケネディ」と、短期間に3隻の艦艇が次々に火災に見舞われた。

これらは偶然とは思えず、反米勢力が絡んでいると報じられている。放火の疑いで容疑者も拘束されている。もし中国の関与が明らかになれば、直ちに戦争になってもおかしくない。

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