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10万円配るのは正解だった?「激論!菅内閣の経済対策」

2020年12月02日 公開

高橋洋一(内閣官房参与),田中秀臣(経世済民政策研究会顧問)

給付金

感染者の激増で「Go To イート」「Go To トラベル」の存続も危ぶまれている。コロナ禍が経済に与える打撃に対して、どのような政策を取れば有効なのか? 菅義偉総理を最もよく知る男、内閣官房参与の髙橋洋一氏と日本を代表するリフレ派論客・経世済民政策研究会顧問、田中秀臣氏が第一波の対策をもとにして、意見を交わした。

※本稿は、高橋洋一&田中秀臣著『日本経済再起動』(かや書房)を一部抜粋・編集したものです。

 

もう一度10万円を配るべき

【田中】「10万円の定額給付金を配っても、みんな使わない」と言っている人がいたけれど、僕は、国民一人当たり10万円というのはかなり効いたと思うんですよ。

【高橋】財務省が「10万円配っても誰も使わない」と言わせていたんですよ。麻生政権のときにやった定額給付金の話を持ち出してね。麻生政権のときの定額給付金は2万円だったけれど、2万円じゃあどうしようもない。

「10万円を2回配ったら、効きますよ」という感じで、私は話したけれど、2回配っても25兆円だから、大したことはない。田中さんが顧問の経世済民政策研究会も、菅さんにそういう申し入れをしていますよね。

【田中】しました。もう1回やるべきですよ。

【高橋】私は、1回目をやれば、2回目をやるのは簡単だと思っていましたが、実のところ1回目のやり方がダメだった。地方自治体にやらせたから、1回配っただけで自治体はヘトヘトになっちゃって、次ができなくなっちゃった。

【田中】ヘトヘトというのは?

【高橋】やり方の問題ですよ。地方自治体にやらせたら、うまくいかないことはわかっている。国にとっては一番ラクなやり方だけれど、自治体に事務手続きをやらせると、自治体の負担は非常に大きくなる。

自治体が住民票に基づいて、郵便で各家庭に書類を送り、その用紙に記入して送り返してもらって、本人確認して銀行口座に振り込むというやり方をした。こんな面倒なやり方では自治体は疲弊するし、事務手続きに1カ月も2カ月もかかって、すぐにお金が行き届かない。

実際、麻生政権のときにこのやり方をして、自治体は大変だった。そんなことは初めからわかっているんだけれど、財務省は金を出したくないから、実務上うまくいかないものを仕組んでくる。

【田中】行政コストが高いやり方ですね。

【高橋】行政コストも高いんだけれど、自治体の疲弊度も大きい。「2回目をやりたい」と言っても、職員たちが「もうできません」と言ってくるから事実上できなくなってしまった。

【田中】そうなると、消費を振興する政策で、定額給付金はもう使えなくなってくるわけですか。

【高橋】今のやり方の給付金ではね。一口に「定額給付金」といっても、いろいろなやり方がある。政策として実現させるためには、具体的なやり方を言ってあげないと、どうしていいかわからなくなってしまう。だから、コロナでは一番安直な、地方に委任するやり方になってしまった。

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