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父・洋平の力は借りず...河野太郎「政治家デビュー」の舞台裏

2021年09月15日 公開
2022年02月07日 更新

河野太郎(衆議院議員)

 

「派閥からご連絡行ってませんか」

1996年10月20日、おかげさまで当選し、衆議院議員河野太郎が誕生しました。しかし、当時は派閥に属していなかったこともあり、国会のこともよくわかっていませんでした。

特別国会開会前日になって、事務所のスタッフに「そういえば議員会館の部屋ってどうなってるの」と言われ、「明日から国会が始まるのだから、今日あたり決まるのかな」と、議員会館の事務局に出かけて行きました。

「初当選した河野太郎ですけど、議員会館の部屋の割り当てはいつごろ決まるんでしょうか」と言うと、「もうとっくに決まってますよ。派閥からご連絡行ってませんか」とたいそう驚かれました。

あわててあちこちに聞いて回って、第2議員会館2階の階段を上がったところの、一番出入りしやすい部屋になりました。自民党の国会議員は朝8時に出てきて部会に出席することも、このとき知りました。

「党内でものを言いたいなら、会議に来て言え。会議に来ないのに後から言うのは通用しない」という党からの指導が最初にありました。

 

「ごまめの歯ぎしり」を創刊

初当選直後に「当選おめでとう。それで国会議員って、何時に出社するの」と近所の方に尋ねられました。私の親父も国会議員でしたが、そういえばいったい何時に平塚の家を出ていたのかも知りませんでした。

そこで国会議員は毎日どういう活動をしているのか、しっかり有権者に報告しなくては、と国会報告紙を作って配布することにしました。

最初は漢字2文字のタイトルを考えていました。ところが仲間から「タイトルがつまらない。こんなんじゃ誰も読んでくれないよ」と内容以前にタイトルにだめ出しされました。

それで考えた末に出てきたタイトルが、「ごまめの歯ぎしり」です。おふくろが神戸出身で、日常的に「ごまめ」という言葉を使っていました。

初当選なので、ちょうどよいタイトルではないかと思いました。「ごまめの歯ぎしり」のロゴも商標登録しました。

こうして、選挙区内の駅の出口を回って「ごまめの歯ぎしり」を配ることにしました。

しかし、この国会報告紙にかかる費用がばかになりません。印刷代はもちろん、郵送すれば郵便代もかかります。頻繁に発行して郵送していては、事務所の財政がもちません。

悩んでいるときに、「メールマガジンを使ったらどうか」というアイデアを知り合いからもらいました。無料で発行できるというところに惹かれて始めたメールマガジン版「ごまめの歯ぎしり」は、創刊からそろそろ25年になります。

 

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