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20年の統治でもたらしたのは「欧米の結婚式」? アメリカがタリバンに完敗した理由

2021年12月28日 公開

佐藤和孝(ジャーナリスト)

米軍の侵攻2日前、バグダッド市内で徹底抗戦を叫ぶ市民
米軍の侵攻2日前、バグダッド市内で徹底抗戦を叫ぶ市民

2001年の9.11を契機に、アメリカ軍はアフガニスタンに駐留、以後20年におよぶ内政干渉を続けてきたが、何の成果も出せずに失敗した。現場に通い続けたジャーナリストが見る、アメリカの理解不能な愚策とは?

※本稿は、佐藤和孝著『タリバンの眼――戦場で考えた』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。

 

アフガニスタンを行き交うギョロ目

私がアフガニスタンを初めて訪れたのは1980年。前年12月のソ連によるアフガニスタン侵攻がきっかけだった。まったく何のつてもなく、隣国のパキスタン経由でアフガニスタンに入ったのは24歳のころ。

パキスタン・カラチの飛行場に降りた瞬間、行き交う人々のギョロ目に圧倒された。怖いというより、完全な異世界に足を踏み入れてしまった、という印象だった。

パキスタン北西の辺境地帯にアフガニスタンのゲリラ各派の事務所がある、との新聞情報だけを頼りに、ホテルやリキシャ(三輪車、語源は「人力車」)の運転手に尋ねて回った。

ゲリラの事務所を見つけて毎日「連れていってください」と通い詰めて頼み、ようやく輸送部隊の弾薬トラックに乗せてもらったのがすべての始まりである。いま考えると無茶苦茶だが、それなりに手続きは踏んでいたことになる。

 

一つの文明としてのイスラム

1970年代のアフガニスタンの写真を見ると、共産主義政権時代のアフガニスタンでは女性がミニスカートで街中を歩いている。意外に規範が緩い社会だったのだ。その空気が変わったのは、ムハンマド・ダウド首相の時代である。

ダウド政権は軍事的・経済的援助と引き換えにソ連の指導を受けた。国内の宗教弾圧を強め、思想統制を施した。これに対し、ソ連の共産主義に反発してイスラム主義の炎を燃やしたムジャヒディンがソ連との対決姿勢を強めた。

義勇兵、そしてアメリカの支援により、ソ連も2021年のアメリカと同じように、1988年から89年にかけてアフガニスタンから撤退することになった。

つまりこの国を共産主義化しようとしたソ連の狙いも、民主主義化しようとしたアメリカの狙いも、共にアフガニスタンの壁の前にもろくも崩れ去ったことになる。専制主義に近いという意味では、共産主義のほうがまだしも芽があったかもしれない。

だが、やはりイスラムはイスラムである。国際政治学者のサミュエル・ハンチントンが『文明の衝突』で記したようにイスラムは7世紀以来、一つの独立した文明ということなのかもしれない。

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