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日本の子どもはなぜ自己肯定感が低い? 原因は「親の10の言動」

宮崎直子

2023年04月10日 公開 2023年04月20日 更新

日本の子どもはなぜ自己肯定感が低い? 原因は「親の10の言動」

「自己肯定感の高い子どもに育てたい」と願い、色々な指南書を読んだものの、結局どうしたらいいのかよくわからない、という親御さんも多いのではないでしょうか?

『鋼の自己肯定感』の著者であり自らも一児の母である宮崎直子さんは、子どものために良かれと思って親がしがちな言動の中には子どもの自己肯定感を下げてしまうことが多くあると言います。

前編では、そんな「気づかないうちに子どもの自己肯定感を下げてしまう親の10の言動」について聞きました。

※本記事はWEBサイト「nobico(のびこ)」に掲載されたものです

宮崎直子(みやざき・なおこ/ライフコーチ)
三重県生まれ。シリコンバレー郊外在住。津田塾大学英文学科卒業後、イリノイ大学で社会言語学や心理言語学を学んで修士号を取得。シリコンバレーでソフトウエア会社を起業、経営し大手コンピュータ会社に売却。稲盛和夫氏の盛和塾シリコンバレーに8年間塾生として所属し、広報を務める。アラン・コーエン氏のもとでコーチングを学び、ライフコーチに。著書に『鋼の自己肯定感』(かんき出版)がある。
宮崎直子公式サイト  http://www.naokomiyazaki.com/

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日本人の自己肯定感は世界的に見ても低い

私は自己肯定感を「ありのままの自分を無条件に受け入れ愛すること」と定義しています。私自身、一児の母ですが、自分の子どもがありのままの自分を無条件に受け入れ愛し、才能を開花させ幸せな人生を送ってほしいというのが多くの親の願いだと思います。

そんな風に願っているにもかかわらず、日本人の自己肯定感は世界的に見ても低いという様々な調査結果があります。実は我々親が子どものために良かれと思って、あるいは何気なくとっている言動の中に子どもの自己肯定感を下げてしまうことが数多くあるのです。

 

【気づかないうちに子どもの自己肯定感を下げてしまう「親の10の言動」】

1.子どもに隠し事をする、子どもに隠し事を強要する
2.子どもの声を無視する
3.親の価値観を押し付ける
4.子どもの学びたい気持ちを超えて学ばせる
5.子どもがいらなかったことを匂わせる
6.条件付きの愛を注ぐ
7.人をジャッジする
8.人と比較する
9.目立つなと指導する
10.減点法で見る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.子どもに隠し事をする、子どもに隠し事を強要する

子どもが傷つかないようにと、子どもに事実を隠したり、事実を他人に口外しないよう強要することがありますが、これは、子どもの自己肯定感を下げてしまいます。

例えば、子どもが養子であることを子どもに知らせない、子どもが不登校であることを他人に口外しないよう子どもに強要すると、自分が養子であること、あるいは不登校であることはだめなことなのだと感じ、ありのままの自分を受け入れ愛することができなくなります。
 

2.子どもの声を無視する

◆子どもが自ら決めたことをサポートするのが親の仕事

子どもが発する「これをやりたい、これはやりたくない」という声にしっかり耳を傾けましょう。例えばトランスジェンダーやLGBTQの人は多くの場合、子どもの頃からそのことに自分で気づき、親にも伝えています。

けれどもほとんどの親は子どもの声を無視してしまいます。女の子に生まれてきたけれど、男性のような格好をしたいと希望する子ども、同性が好きな子ども。子どもたちが発する言葉を親が敏感に受け入れればそれは子どもの自己肯定感につながり、無視すれば、自己否定に繋がってしまいます。
 

3.親の価値観を押し付ける

親から生まれてきたけれど、子どもは親とは全く別の人格を持った一人の人間です。親の価値観を子どもに押し付け、なんでも親が決めてしまうと、子どもの自己肯定感は下がってしまいます。

どんな洋服を着て、どんな友達と付き合い、どんな進路を選ぶか、何を持って人生の成功とするか、親は必要に応じてアドバイスこそすれ、親が決めることではありません。子どもが自ら決めたことをサポートするのが親の仕事です。

4.子どもの学びたい気持ちを超えて学ばせる

子どもにいろいろなことを学ばせることは悪いことではありませんが、子どもが学びたいという気持ちを超えて無理矢理学ばせることは教育という名の下に行われる虐待であり、子どもの自己肯定感も下げてしまいます。
 

5.子どもがいらなかったことを匂わせる

「あなたなんか産むんじゃなかった」「あなたのせいで家計が苦しい」などは論外ですが、子どもがいらなかったことを匂わせる言動も子どもの自己肯定感を下げてしまいます。

例えば3人姉妹の家庭の一番下の娘の前で「男の子っていいわね」などと言う場合です。何気ない一言が子どもを絶望的な気持ちにさせることもあります。
 

6.条件付きの愛を注ぐ

◆条件を付けずそのままの子どもを受け入れる

子どもが良い成績を取ったとき、子どもが自分の言うことを聞いたときだけ愛情を注ぐと、子どもは良い成績が取れない自分には価値がない、親の意見に反対すると親の愛を失うと思ってしまいます。苦手な科目がある自分、親の意見とは異なる意見を持っている自分はダメだと考え自己肯定感は下がってしまいます。
 

7.人をジャッジする

「あの人まだ結婚していないのよ」「あの人〇〇大学に入ったんですって、すごいわね」「あの人、太っているね」こうした他人をジャッジする発言を子どもの前で繰り返していると、子どもは条件付きで他人を、そして自分を評価することを学んでしまい、ありのままの自分を無条件に受け入れ愛することができなくなってしまいます。
 

8.人と比較する

「お兄ちゃんに比べて妹は」「お隣の〇〇ちゃんはこうだけどあなたは」「私があなたと同じ歳だったとき、私は」子どもを誰かと比較する発言は子どもの自己肯定感を確実に下げてしまいます。

それは貶す場合も誉める場合も同じです。誉める場合も、子どもは自分は誰かと比べて上である場合にのみ価値があると思ってしまいます。

9.目立つなと指導する

「目立つことをしてはいけません」「人と同じようにしなさい」と言うのは、子どもに「あなたがあなたであることを止めなさい」と言っているようなものです。もともと子どもはそれぞれ異なる個性を持っています。子どものユニークさを認めてあげることが子どもの自己肯定感に繋がります。
 

10.減点法で見る

「どうしてあと5点がんばらなかったの?」「またここ間違っている」など、完璧な理想の子ども像を描き、そこから減点法で子どもを見ていないでしょうか?

減点法で子どもを見ると子どもはどんなに頑張っても自分を認めることができなくなります。子どもの存在そのものを認め愛し、できなかったところではなくできたところを認めて褒めてあげましょう。加点法で見ることで子どもの自己肯定感は育っていきます。
 

『鋼の自己肯定感』(かんき出版)
「自己肯定感は上がったり下がったりするものである」「自己肯定感は自信を付ければ上がる」「自己肯定感は生まれつきや性格で決まる」以上は全部、実は間違っています。自己肯定感は簡単な正しいワークをすることで、上げたままにすることができるのです。
24時間365日高いままにでき、決して屈することのない最強の「鋼の自己肯定感」を本書では全部教えます。

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