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くらし

足裏の角質ケアも大切...「自分で歩ける高齢者」になるための習慣

山口マユウ(ウォーキングスペシャリスト)

2023年11月01日 公開 2024年02月02日 更新

 

歩き方が変わると心が前向きに

土台となる足の状態が整ったら、今度は歩く時のフォームをチェックしましょう。いいフォームで歩くと負担も少ないので、未来の体も変わっていくはずです。

ところが「体のあちこちが痛くてあまり歩けない」という声をよく聞きます。せっかく地面を踏み込んで歩けていても、背中を丸めて前のめりで歩いていたら、ひざや腰、すべてに負担がかかってきます。

歩く時の姿勢は、かかとを壁につけて立った時、後頭部、肩甲骨、おしりが壁に付くのが基本。壁と肩、腰の間にすき間ができるのが理想です。

軽く握った手(グーの半分ぐらいの厚さ)を壁と腰の間に入れてみて、手が動かせるなら反り腰、入らないなら腰が真っ直ぐに伸びすぎになります。

猫背は壁と肩との間に指を入れてチェックできます。指3本までならOKですが、4、5本入るようであれば猫背または巻き肩です。歩く時はこの「壁にかかとをつけて立った正しい姿勢」を意識します。

正しい姿勢で歩くことはメンタルにも好影響を及ぼします。せっかくたくさん歩いても背中を丸めていたら呼吸が浅くなり、脳への酸素供給が少なくなります。しかし、酸素供給がよくなれば集中力もアップして仕事が捗りますし、気持ちもポジティブになるからです。

実際、私のレッスンに通っていた受講生の中にも、正しい姿勢で歩き始めたらメンタルまで変わった方がたくさんいらっしゃいます。

42歳の女性は太り過ぎで動悸、息切れが気になり、レッスンを受け始めました。初めはドスドスと歩いていましたが、姿勢が変わり、歩き方も変わったら、体重が減り、サーフィンやトライアスロンにチャレンジ。仕事も好調になり、今は持っていた自分の店をすべてスタッフに任せて、やりたいことにどんどん挑戦されています。

54歳の男性は、肥満で動くのが億劫になり、それでも接待での飲み会が続き、どんどん体が大きくなる悪循環を引き起こしていました。

しかし、靴の履き方、足トレーニング、姿勢、歩き方を見直したところ、2カ月でお腹周り14センチ減。すると体が軽くなり、定期的に運動を行うように。ゴルフのスコアも上がり始めたと喜んでいらっしゃいます。

 

歩くという動作から、心から楽しむウォーキングへ

「歩く」「ウォーキング」というと、こんなに歩いた、これだけの速度で歩いたということばかりにこだわってしまう人が少なくありません。

でも「さあ歩くぞ」というアドオン思考よりも、日常の中にアクティブな動きを取り入れていく「ビルトイン思考」のほうが、歩くことをもっと気軽に楽しめます。そのためには、通勤や買い物のための歩きを変えていくことが近道です。

私はタン、タン、ターンのリズムに合わせて3歩目の歩幅だけを広げて歩く「やせる3拍子ウォーク」を提唱していますが、まず、3歩目の歩幅を広げることに加え、歩幅を広げるために腕を真後ろに大きく引くことを意識してみてください。

そして、1日5分長く歩くことから始めましょう。「5分歩く」と考えるのではなく、5分先の飲食店や、お弁当屋さん、コンビニに行くようにすると、生活の中に取り入れやすいです。今までより5分先に出かければ、往復で10分長く歩けるようになります。

しかも3拍子でリズムよく歩けば、いつもより早く移動ができて時短にもなります。話をしながら歩ける時速5キロのスピードを目安に仲間と歩いてみてください。

ただ歩くのではなく、コミュニケーションを取りながら歩くことで人生はもっと豊かになります。そうやってスタートし、気がついたら心も体も軽くなり、色々な所に行きたくなって、自然と持久力もついているはずです。

 

著者紹介

山口マユウ(やまぐち・まゆう)

ウォーキングスペシャリスト/一般社団法人日本DFWALK協会代表

証券会社勤務を経て、結婚。出産後、専業主婦から「VERY」「COMO」「voce」「domani」などの人気雑誌で読者モデルとして活躍し、プロのモデルに。モデルとしての活動をきっかけにウォーキングに興味を持ち、研究を重ね、ウォーキングスクールを始める。祖母の介護経験を通じ、人には平均約10年の寝たきり生活があることを知ったことから、ウォーキングを通して、心身の健康を維持することの大切さを伝えている。

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