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【連載:和田彩花の「乙女の絵画案内」】 第4回/ルノワール『陽光の中の裸婦』

和田彩花(アイドルグループ「スマイレージ」リーダー)

2013年11月08日 公開 2021年08月23日 更新

ルノアール,陽光の中の裸婦

ピエール=オーギュスト・ルノワール (1841-1919)

印象派において人気の高い巨匠の一人。1841年、フランスのリモージュで生まれる。13歳のときに陶器の絵付け職人となるが、産業革命による機械化で職を失った。その後、21歳で画塾シャルル・グレールで本格的に絵画を学ぶ。モネやシスレー、バジールらと出会い親交を結び、印象派展に参加。友人や女性をモデルとした人物画を多く描き、『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』や『都会のダンス』(ともにオルセー美術館蔵)などの傑作がある。後年はリュウマチ性関節炎に苦しみ、車椅子での生活を送るも、最後まで精力的に作品を描きつづけた。

 

音楽が聞こえる

 

 ルノワールの絵は、美術館に入って遠くから見ただけですぐにわかります。すごく特徴的で、あまりにも有名な画家ですよね。

 そんなルノワールの絵を観ていると、私はiPodで音楽を聴いているような気分になります。なんだか心地よい音楽が次々と流れてくるように感じるのです。

 印象派の画家に共通していることですが、一見すると雑に描いているようなのに、全体としては、とてもきれいな絵画に見える。ばらばらの音が集まって、1つの音楽になるように。とくにルノワールの描く絵からは、いつもリズムが聞こえてくるんです。

 絵のモデルに女性が多いことも、理由の1つかもしれません。いろいろなアイドルの曲が、次々に絵というイヤフォンから聞こえてくる感じです。

 彼の絵筆はまるで楽器みたい。「絵」の形をした「音楽」を、1曲ずつ聞かせてもらっているつもりで、いつも美術館の展示や画集を観ていました。

 ルノワールは、女の子が好きだったのでしょうか?

 きっと、そうだと思います。だって、描かれている女性がみんなきれいで、かわいい! 

 フランス人の女性の裸なんて、同姓であっても日本人が見る機会はそうそうないでしょうけど、これは絵の世界だから当たり前のように鑑賞できます。

 ザザッと一気に絵筆を動かしているようで、肌の質感などはとてもリアルに描かれていますね。

 ルノワールが女性をよく観察しているなあと、絵から強く感じられます。やはり、ルノワールはよい意味で女の子が大好きだったにちがいありません。いまでいえば、熱心なアイドルファンのみなさんのような感じではないでしょうか。

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