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「効率的な貯蓄」としての不動産投資

宮沢文彦(ボルテックス代表取締役社長)

2014年07月30日 公開 2022年07月07日 更新

不動産の価値は下がり、お金の価値は下がらない?

不動産の保有は、現金の貯金に比較して魅力的な貯蓄方法です。ただ、それでもまだ安心できないという人もいるのではないでしょうか? いわく、不動産には「値下がりリスク」というものがつきものである、と。

「現金は価値が下がることはないが、不動産の場合、老朽化したり、路線価が変動したりして、価値が下がる」
「1億で買っても長く持てば持つほど、価格は目減りする。賃料も下げざるをえない」……。

でも、果たしてこれは本当でしょうか?バブル崩壊後、「失われた20年」という言い方がされ、その間の不動産価格は大きく下落したと言われます。

確かにバブル期の高騰ぶりに比べれば、随分低くなっていますが、それは適正な価格に落ち着いたということであり、日本の不動産価値が軒並み、劇的に下落したわけではないでしょう。

逆に、お金の価値は、確実に下がったと言えます。貨幣価値というのは、どの国においても、長期スパンで見れば必ず下がるものなのです。考えてみてください。日本でも40年前と現在の初任給では、だいぶ違いますよね。ラーメンの値段も、タクシーの初乗り運賃も、かなり違うはずです。

どういうことかと言うと、数十年の間には「インフレ」が必ず訪れるので、お金の価値は必ず下がるのです。日本は長い間デフレでしたから、インフレと言われてもピンとこないかもしれませんが、インフレによる貨幣価値下落はどこの国でも起こりうることです。特に経済破綻を起こしたりすると、お金の価値は、恐ろしいくらいに下落します。

例えば、一時期のジンバブエではインフレ率が2億%などということがありました。お金の価値が紙くず同然になってしまったんです。まさかこんなことは日本では起こらないと思いますが、お金の価値が永遠に変わらないなどというのは幻想です。

グローバル経済が極度に進んだ現在、他国の経済危機のあおりを受け、自国の貨幣価値がどん底まで下がるという事態も想定できないでもありません。

それに比べれば実物資産である不動産は、どのような経済状況になっても、そこに土地があり、建物がある限り、利用価値がゼロになることはないでしょう。この点でも、現金での貯蓄よりも、収益不動産を活用した「貯蓄」のほうが有利だと言えます。

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