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マイナンバー制の本当の目的は「お国のための財産拠出」の準備

榊原正幸(青山学院大学教授)

2015年11月04日 公開 2023年02月02日 更新

 

マイナンバー 榊原

現金
新円切り替えを行ない、タンス預金をあぶり出します。現行のお札は旧札となり、交換比率は1対1とするが、切り替え後、旧札は無価値とすることにすれば、タンス預金は一旦すべて銀行預金にせざるを得ません。手元の旧札を銀行に持っていって、預金してから新札で現金を引き出すと、一旦、現金の有り高が通帳に記帳されるわけですから、現金の有り高は把握できてしまいます。しかも、新円切り換えの期間を、たとえば2018年6月1日から同年の8月末日までといった短い期間に設定してしまうでしょう。そして、その期間の通帳残高をチェックすれば、タンス預金がいくらあったのかを把握できるわけです。

預金
銀行預金にはマイナンバーがふられて、金額がすべて把握されます。

有価証券
証券会社の口座にもマイナンバーがふられて、保有する有価証券や預託金の金額がすべて把握されます。

貸付金
貸付証書にもマイナンバーがふられて、金額がすべて把握されます。「マイナンバーがふられていないものは債権としては無効」とされれば、貸付金を持っている人は必死になってマイナンバーを割り付けるでしょう。

建物と土地
登記簿から情報を集約して、マイナンバーの登録事項にされます。

車両
車検証から情報を集約して、マイナンバーの登録事項にされます。

以上のように、現金以外は、マイナンバー制を導入すれば、国は、比較的簡単に国民の財産や保有資産を一括で把握することが可能になります。マイナンバー制を導入したうえで、新円切り替えを行なえば主だった個人資産はすべて国に把握されてしまうわけです。もちろん、納税申告書にもマイナンバーがふられることは言うまでもありません。

なお、社会保険や年金もマイナンバー制の下で一元管理されることになるでしょうけれども、政府としてはそれらのものはどうでもよくて、オマケみたいなものだと思います。とにかく、マイナンバー制の本音の目的は 「国民の保有資産額を把握すること」 なのです。

そして、個人の負債(住宅ローン・車のローン・その他の借入金)を申告させれば、国民各人の「純資産」が明らかになります。この「純資産」こそが、財産税課税(=「お国のための財産拠出」)の対象額となるのだろうと予想されます。

マイナンバー制によって、国民が保有する総資産の額は丸裸にされ、国に把握されてしまいます。

負債の多い人は納税原資がありません。極端に言えば、「1億円の家を持っているけど、全額ローンで買った人」は、総資産は1億円ですが、「純資産」はゼロです。総資産に対して課税すると、この1億円の家を全額ローンで買った人には、支払えないほどの重たい負担がかかってしまうので、純資産をベースに課税するしか方法はないはずです。

ちなみに、政府は、「最悪の場合 このように、負債の部分も把握してもらわないことには適正な課税はできないはずです。家を全額ローンで買ったとしても、固定資産税は減免されません。そこにさらに、財産税を総資産ベースで課税してしまうと、さすがに国民が悲鳴を上げて、暴動になるかもしれません。ですから、財産税の課税は「純資産」に対する課税ということになるだろうと予想されます。「純資産税」という名前になるのかもしれません。

 

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