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運命は努力で変えられる? 松下幸之助は「人生」をこう考えた

2017年02月05日 公開

大江弘(PHP研究所社会活動部部長)

 

松下幸之助が考えた「運」を生かすコツ

松下幸之助は、次のように物事を考えていました。

「運は努力によって生み出すもの、と言う人がいますね。そういう見方も大事だとは思いますが、運があるからこういう成果が上がったのだという見方も非常に大事だと思いますよ。つまり成功して順調にいっているときは運がいいのだと思い、困難なときは自分のやり方がまずいからだと考える。そういう考え方をした方が自分を御していく上において楽ではないか、とこう思うんです」(『人生談義』)

私たちは、往々にして物事がうまくいくと、これこそ自分の実力であると驕る気持ちがわいてきがちです。成し遂げた成果については、素直に大いに喜ぶべきですが、それが行き過ぎ、驕りになったのでは、油断やゆるみが生じてきます。またそれが原因で、取り返しのつかない大きな失敗を招くこともあるでしょう。しかし、“たまたま運がよかっただけだ”と考えるなら、“次はどうなるかわかったものではない。もっと気を引き締めていこう”と気をつけることになります。もとより過ちは起こしにくくなるのではないでしょうか。

一方、成果が思うように上がらなかったときは、自分自身のやり方のどこかに問題があったのだと反省するきっかけとして、改めるべきは改めるようになるでしょう。そうすれば、次の機会にはより成果を上げやすくなると思われます。

また、運が強いと考えることで、夢や希望、力がわいてきます。例えば大学生の場合、運が強いと思えば、“自分はやり方次第でいい成績で卒業できるに違いない。さらにいい会社に入ることもでき、しっかり働くことで、やがては会社でも、社会でも十分に役立つ働きができる。輝かしい未来が待っている”ということで、勇気凛々と勉学に励むようになるのではないでしょうか。

松下も、自分は運が強いのだからきっと乗り切れる、さらによい状態を生み出すこともできるだろうというような信念、自信、強い考え方が生まれてきたと言います。そうしたものがあったおかげで、さまざまな苦境にも、心乱さず、くじけず、歩み続けることができたというのです。

また次のようにも述べています。「ぼくも幸いにして成功した部類に入るのかもしれませんが、これは自分の力ではない、運のおかげである、自分も努力をしたけれど、その努力はせいぜい1割か2割で、大部分は運のためである。そう考えて、あんまりえらそうなことを言ったらあかんと、こう思っているのですよ」(前掲書)。

成功を手にするのは容易なことではないでしょう。やはり、努力に努力を重ね、何度も苦難を乗り越えることが求められます。しかし松下は、そうした努力はわずか1割か2割、あとは運だったというのです。

この世に生を享けた人はそれなりに運が強い。その強い運を無駄にしないよう努力する。努力といっても、自分にできることをしっかりとなすだけで、できないことまで無理してすることはない。こう言われれば、何だかやる気もわいてくるのではないでしょうか。

 


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iyashi

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