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「上司より部下の専門性が高い時代」 だから成長する"評価"の無い企業

倉貫義人(ソニックガーデン代表)

2019年03月05日 公開 2019年07月10日 更新

「上司より部下の専門性が高い時代」 だから成長する"評価"の無い企業

<<株式会社ソニックガーデンの創業者で代表の倉貫義人氏が注目を集めている。その理由は、異色の経営手法にある。

「上司なし・決裁なし」「経費は承認なく使える」「休暇は取り放題」「給与は一律、賞与は山分け、評価制度なし」「売上目標やノルマはなし」「働く時間も場所も縛りなし」「副業OK」……と、"最高に自由に働ける会社"として運営している。しかも会社は成果を挙げ続けているのだ。

本稿では、いわゆる「ティール組織」を実現した倉貫氏の著書『管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』より、社員それぞれが自発的に最高のパフォーマンスを発揮する秘密を語った一節を紹介する。>>

※本稿は倉貫義人著『管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』より、一部抜粋・編集したものです。
 

目標設定と評価がもたらす4つの問題

上司が部下を評価することは責任の1つであり、権力でもあります。また、評価は昇給や昇格に影響します。

わかりやすい評価指標は、あまり難しいことを考えずに人を猛進させられるため、従来のマネジメントでは重宝されてきました。しかし、そうした昔ながらの評価では多くの現場で問題が出てきています。

①わざと低めの目標を設定しようとしてしまう
評価は「目標を達成できたかどうか」に対してするものなので、個人ごとの目標を絶妙にクリアできる内容に落としこもうとしてしまいます。

部下に高すぎる目標を設定するとやる気を失いますが、かといって、かんたんにクリアできるようだと評価が高くなりすぎます。評価が高くなりすぎると賞与や昇格にはいい影響を与えますが、次の目標はさらに高くなってしまいます。

そうなると、次は達成できなくなるかもしれないので、そこそこの評価にしておこうということが起きてしまうのです。

②評価までの期間が長すぎて目標が変わる
半年に一度の評価というのは、間が空きすぎます。

現代社会は外部環境の変化が激しいため、半年前に決めた仕事をずっと続けるよりも、半年以内に新しい企画が立ち上がったり、案件によっても仕事内容が変わったりします。その結果、「評価するときには当初の目標と違っていた」なんてことが起きるのです。

③短期目線になってチャレンジしなくなる
「目標設定をして評価をする」と、減点方式での判定になりがちです。当初の計画をクリアしたうえで新しいことにチャレンジしたら大きな評価になりますが、もし当初の目標は横に置き、新しいことにチャレンジして評価されるかといえば難しいところです。

また、半年単位で評価されるので、半年以内に結果が出ないことにはだれも取り組まなくなってしまいます。短期的にはそれでいいかもしれませんが、その先の大きな飛躍のチャンスを逃すことになります。

④評価する人を見て仕事をしてしまう
上司がいて評価を下すとなると、どうしても評価する人を気にしないではいられません。

「評価なんか気にしないで、お客様のために働きましょう」とかけ声をかけても、そのかけ声をかける上司が気になってしまうでしょう。

それに、評価をしてくれる人に精神的な依存も生まれてしまいます。ビジネスに正解なんてないし、上司こそが絶対というわけでもないのに絶対視してしまうのです。自分の頭で考えなくなる人ができあがります。

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そもそも評価で人を働かせるのはコストパフォーマンスが悪い

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